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特集 公衆栄養への期待
文献概要
高齢者,特に後期高齢者の増加により,高齢期特有の健康問題が全面に出てきている.その典型とも言えるものが,慢性疾病のみならず加齢による心身機能の変化の影響を強く受ける身体的フレイル(ロコモやサルコペニアを含む)と認知的フレイル(軽度認知障害や認知症を含む)である.その進行には栄養・食生活が深くかかわっており,いわゆる低栄養状態(以下,低栄養と略する)やそれをもたらす食生活が身体的あるいは認知的フレイルを促進している.
人の成長,発達,老化のライフコースを通じて,適切な栄養は適切な身体活動とともに極めて大切である.しかし,これまで生活習慣病の予防という観点から,肥満,栄養の偏りや過剰摂取の弊害が強調されてきたあまり,高齢期の低栄養にはあまり関心が向けられなかった.しかし,前述したような理由から,超高齢社会では高齢者の低栄養に十分な注意が必要である.
人の成長,発達,老化のライフコースを通じて,適切な栄養は適切な身体活動とともに極めて大切である.しかし,これまで生活習慣病の予防という観点から,肥満,栄養の偏りや過剰摂取の弊害が強調されてきたあまり,高齢期の低栄養にはあまり関心が向けられなかった.しかし,前述したような理由から,超高齢社会では高齢者の低栄養に十分な注意が必要である.
参考文献
1)Suzuki T, et al:An Introduction of the Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Longitudinal Interdisciplinary Study on Aging (TMIG-LISA, 1991-2001). Geriatr Gerontol Int 3(s1):S1-4, 2003
2)新開省二:高齢者の低栄養の現状とその予防.日本医事新報4615:71-77, 2012
3)秋山弘子:長寿時代の科学と社会の構想.科学80(1):59-64, 2010
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