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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生79巻9号

2015年09月発行

文献概要

特集 医療情報の利活用

レセプトデータを利活用したデータヘルス事業の現状と課題

著者: 岡本悦司1

所属機関: 1国立保健医療科学院

ページ範囲:P.598 - P.603

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背景
 レセプトのオンライン化がほぼ達成され,専ら関心はその利活用に移っている.毎月,DVDやディスクに蓄積されるテラバイト単位のビッグデータを,では,どう活用するか,は保険者にとって未知の領域であり,新たなチャレンジでもある.保険者がレセプト情報をレセプト点検等の医療費チェック以外の目的に利用することに対しては最近まで強い抵抗があり,ましてやそれを保健指導や疾病管理に活用することに多くの保険者は躊躇するものがあった.
 そうした抵抗感を払拭し,データ活用を促進する目的で保健事業の実施指針が2014年4月より改正され,保健事業の実施計画(データヘルス計画)が開始された.2015年度より全ての健康保険組合がデータヘルス計画を策定し,事業主や産業医とも連携して推進されている1).健康保険組合には,データ分析を専門事業者に委託するところも多いが,市町村国保においては,国保データベース(KDB)という情報システムが配備されており,データヘルス計画推進のための有力なツールとして期待される.

参考文献

1)岡本悦司:データヘルス計画—保健指導から疾病管理へ,一次予防から三次(重症化)予防へ.健康開発19(4):21-27, 2015
2)厚生労働省:標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版) http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/dl/hoken-program4_01.pdf
3)岡本悦司:KDB抽出ファイル活用のためのマニュアル作成.厚生労働科学研究長寿科学研究開発事業「エビデンスに基づく地域包括ケアシステム構築のための市町村情報活用マニュアル作成と運用に関する研究」(業務主任者:熊川寿郎)成果報告書.2015年3月,pp61-69
4)特定健診・保健指導の医療費適正化効果検証のためのワーキンググループ第二次中間取りまとめ http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000066121.pdf
5)Okamoto E:Linkage Rate Between Data From Health Checks and Health Insurance Claims in the Japan National Database. J Epidemiology 24(1):77-83, 2014
6)岡本悦司:医療経済研究へのプロペンシティスコア(傾向スコア)法の活用〜特定保健指導の経済評価の経験から.医療経済研究24(2):73-85, 2012
7)森川美絵,他:地域包括ケアシステム構築のための市町村地域ケア会議等における情報活用状況に関する研究.厚生労働科学研究長寿科学研究開発事業「エビデンスに基づく地域包括ケアシステム構築のための市町村情報活用マニュアル作成と運用に関する研究」(業務主任者:熊川寿郎)成果報告書.2015年3月,pp16-60

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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