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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生8巻1号

1950年07月発行

雑誌目次

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最近の公衆衞生のうごき

著者: 三木行治

ページ範囲:P.1 - P.1

 「健康とは完全な肉體的,精神的及び社會的安寧の状態であつて,單に疾病又は虚弱の存在しないことではない」。これは世界保健機關憲章の冒頭に掲げられた健康の定義であつて,すべての公衆衞生行政はこの健康の獲得に向つて進められなければならない。
 我が國の公衆衞生に關する諸活動は,昭和年代の初期,約二十年前において近代的發展を約束するかの芽生えが現はれたのであつたが,間もなく太平洋戰爭に終始した一連の長い戰爭状態への突入によつて,これらの保健活動に對する國家的要請は,この活動の本來の姿を著しくゆがめたのみならず,逐に折角の萠芽も二葉のうちに打ち萎れてしまつたかの感があつたのである。

住宅と衞生

著者: 庄司光

ページ範囲:P.2 - P.3

 多くの住宅を新しく建てなければならない今日は,一面過去の不合理な非能率的な住生活を根本的に改める絶好の機會でもある。勿論これは住宅建築だけの問題でなく,衣食の樣式に密接につながり,之等の改革と平行して解決されなければならない。新しい生活樣式と國民住居標準の諸問題を果敢に解決することなしには新日本の生活文化の創造はあり御ない。しかし戰後の住宅復與の状況をみると根本的な對策は樹てられて居るとは云えない。

公衆衞生としての性教育

著者: 岩原拓

ページ範囲:P.4 - P.6

1 性教育とはどんなことか
 性教育とはどんなことかと問われゝば,性教育とは性の道徳と性の衞生について教えることだと答えてよいであろう。即ち性の道徳といえば,まず純潔教育が考えられ,男女交際のエチケット,戀愛生活の規矩といつたことが,その主内容をなし,また性の衞生といえば,女子の月經,男子の遺精,男女の自慰行爲といつたような青春期の性經験のことや,男性と女性の性徴(心身の性的特徴)の差異のことや,性生活の生理を主宰するホルモン作用のことや,結婚生活の中軸を占める性交の生理衞生の問題や,性交と妊娠との關係および産児調節の問題などが考えられ,さらに性の病理ともいうべき性病のことが,併せ考えられるのである。

社會保險の展望

著者: 大村潤四郞

ページ範囲:P.6 - P.8

1.社會保險の沿革
 賃金勞働者その他の小額所得者が疾病,負傷,老年,分娩,死亡等の身體的故障のためその勞働能力を喪失したる場合,又は失業のため勞働機會を喪失したる場合之を救濟する保險的施設を稱して社會保險と云う。疾病の保險を目的とした小規模なる組合は既に早くから各國に存在していたが強制保險制度としてその形態を整えたのは18世紀から19世紀にかけて起つた産業革命の結果であつた,この結果手工業に代つた機械工業に世襲的勞働階級が發生しその生活は低賃金と過剩勞働のため極めて悲慘なものとなつた。社會保險はこれ等勞働者に對する社會政策として1883年獨逸に於て時の宰相ビスマルクに依て創始せられた疾病保險を以て嚆矢とする。その後墺(1888)匃(1891)佛(1894)英(1897)瑞典,蘭(1901)等に相次いで創設せられ世界各國に及んだ。日本に於ける社會保險は大正11年の健康保險法の制定と共に始るがそれ以前既に工場,鑛山等に自主的に設立せられたる共濟組合があり,又業務上の傷病に對して事業主の扶助義務を規定した,鑛業法,(明治32年)工場法(大正5年)等があつた。大正7,8年頃歐洲大戰の影響を受け,社會状態經濟事情に急激なる變遷を來し一般思想は紛亂し勞働爭議は頻發した。

アメリカ社會醫學の瞥見

著者: 橋本寛敏

ページ範囲:P.9 - P.10

 アメリカを一寸旅行して來たが,廣い國だから,3ヶ月の間に何も彼も觀るわけには行かない。公衆衞生は私の專門外の領域ではあるし,時を同じくして,慶應の草間博士も視察旅行をして居ることだから,公衆衞生に對しては全く無關心の態度を以て視察して歩いた。ボルチモーアではジョンスホプキンス大學に行つたついでに公衆衞生學校には立ち寄り,學校内の活動を一通りに參觀した。しかし教壇では,私の興味をもつ,病院管理のクラスにだけ出席したので,公衆衞生の動向などは少しもわからない。又他の醫科大學を歴訪した際にも,25年前,公衆衞生が脚光を浴びて發展しつゝある時代とはちがつて,今は公衆衞生學は極めて普通な學科だからこちらから,特別に訊かなければ話題にはならない。都市の役所の衞生課の試験所が大學の内に設けられて,學内の教育陣も設備も完全に利用して,着々實績を擧げて居る話を聞かされた位のものだ。
 もう一つは,一般臨床醫學の諸學科を教える時にも,病院で診療を實施する時でも,公衆衞生の觀念が臨床家の腦裡に溶け込んで居て,個人を對照として診療するにも公衆衞生の一端を實現するに力めて居ること確かであつた。患者もその家族も,病氣の最中及び回復期には,病氣の豫防,健康保全増進に就いて最も關心が深い。この機會に乗じて家族或は社會公衆に關する衞生を實行させる樣に指導することは極めて賢い。必ず効果がある。臨床科の醫師も看護婦もこの方面に對する努力は明かに認められた。

世界における社會醫學・公衆衞生教育の動向

著者: R・サンド

ページ範囲:P.11 - P.13

 この論文は,ベルギー,プラツセル大學社會醫學教授Dr. Sandが昨年9月15日,イギリスのRoyal Institute of Public Health and Hygieneの招待によりロンドンでおこなわれた,Bengué紀念特別講演を,同教授の好意により贈られた別刷から拔きだしたものである--田多井吉之介。

健康とスポーツの問題

著者: 齋藤一男

ページ範囲:P.14 - P.17

 自分は何時の間にか,整形外科の先生と體育の先生になつて了つた。そしてこの頃次の樣なことが非常に氣になつて來た。即ち,我々醫者の社會を見ると,何うも健康から破れているいわゆる疾病そのものを對照として日夜健闘している傾向が多い。それに對して體育の指導者は健康度を高めるために,これ又日夜苦心している樣である。そして兩者とも基本問題である「健康」に就いては,餘り關心がない樣に實質的には見えてならない。或いは空氣の絶對必要性は認めるが,それに就いて別に精しく知らなくても,まあ生きて行くのに差支えないではないかと云ふのと同じ意味に,醫者も體育指導者もこの「健康」を取り殘しているのではないかとよく考えさせられる。幸い,文部省では昨年度から今迄の「體育」の時間を「保健體育」と名稱を變え,その内容にも健康教育なるものがより多くもられて來ているが,それを指導する人が果して健康なるものなり,人間の體なりに就て十分なる教養のある人が之に當つているかと云ふ點を考えると聊か寒心せざるを得ない。確かに健康と云うテーマは興味の少いものではあるが一應檢討してみやう。即ち,從來は「病氣でない状態である」と簡單に考えた場合が多い。これは健康の問題が今でも一般の生活に於て,健康としてでなく,病氣として意識されていることを證據だてるものである。

學校體育の諸問題

著者: 竹之下休藏

ページ範囲:P.18 - P.20

 學校體育が當面している問題だけを拾つて見てもかなり多い。學校體育はふつうの意味で學校に在學する學生生徒の正常な發達を助長するためのいわゆる體育指導の問題もあるが科學的研究の面も重要である。それ故今日の學校體育の問題は學習指導の問題・教員養成の科學的研究の3つの分野に分つて考察することが適當であろう。この3つの問題は相互に連關していることは勿論であるがこれまでは學習指導の問題だけが取り上げられ,そして基礎的研究かち離れた方法的技術的問題だけが重要視されたと言つてよかろう。今日の體育の問題はここに發するものが大部分である。

公衆衞生はいかに教育さるべきか

著者: 内田早苗 ,   川畑愛義 ,   野邊地慶三 ,   齋藤潔

ページ範囲:P.21 - P.27

小學校の健康教育
一 小學校における健康教育の意義
 生れてから死ぬまでの一生涯を,健康で過すことが出來るか否かは,その人間の生活樣式なり或いは生活態度如何に因る場合が多い。殊にその際健康に關する習慣の形成状態は深い關係をもつている。從つて健康生活を正しく導くことは,既に乳幼兒期から必要なものと考へられる。幼少年期においての行動は,殆んど自然的欲求に從うものであるが,逐次發育階梯を追つて理智的思考が可能になる。小學校兒童の満6年から12年迄の年齡は,このような立場から健康生活の育成に重要な意義を有するのである。
 小學校教育は義務教育であつて,必身の發達に應じて初等普通教育を施すことを目的としているが.この目的實現のための一要素として,健康・安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い,心身の調和的發達を圖ることが極めて重要である。即ち小學校における健康教育は,一生を通じて健康生活を實踐し得るような基礎的習慣を啓培するために,努力が拂はれなければならないのであつて,健康教育の意義はこゝにあると云へよう。

醫師國家試驗問題を批判す

著者: 若原剛史

ページ範囲:P.28 - P.30

(1)問題の精神について
 第8回醫師國家試験問題の全文が發表された。私にあたえられた問題はそれらのうち公衆衞生の出題方針が果してだ當なものであるかどうか第三者の立場においてこれを檢討せよというのである。
 これはしかし雜誌編集者の立場からいえば興味ぶかい事かもしれないが,問題を與えられた筆者にとつては迷惑至極の事といわねばなるまい。というのは廣い衞生及び公衆衞生學の中からわずかに三問をえらんで二問を書かせようという問題について,之を批判するものゝ意見と解釋にはさまざまな決論が生れようからである。むしろこうした問題は一人の筆者の意見にまたないで多くの公平な立場にある權威者の合評又は座談會の形式にまつ方が無難なのではあるまいか,そうした意味からは,國家試験問題を批判せよという編集者の出題方針が批判されてよいはずである。

小兒衞生學的な2,3の觀察—八丈島に於ける場合

著者: 室橋豊穗

ページ範囲:P.31 - P.35

1.緒言
 著者は昭和23年三宅島に於ける百日咳流行に當り,離島に於ける衞生状況の一端を視察する機會を得たが更に昭和23年6月都衞生局より八丈島に居住する乳幼兒に對し百日咳及び結核豫防接種の施行を命ぜられて渡島したので約2週間の在島期間中に調査し得た小兒衞生學的觀察について報告し,離島に於ける今後の保健衞生對策に資したいと思う。

林業勞働の生理衞生學的研究

著者: 松岡修吉

ページ範囲:P.36 - P.38

 われわれは昨年夏約2週間に亘り秋田國有林において林業勞働の調査を行つた。調査の目的は現行の林業勞働の實態をつかみ,勞働條件改善や生産力向上のための基礎資料を提供するにあつた。時日經費人員等の關係から,今回は調査對象を林業勞働の主要勞務者たる伐木夫(伐木及び造材作業夫)と木寄夫(木寄及び運材作業夫)のみをとり,エネルギー代謝率の測定と時間調査とを主として行つた。調査個所は材種と機械化の2點に注目して最も典型的な2個所,即ち能代營林局仁鮒國有林と生保内營林局生保内國有林とを選んだ。前者はスギを産出し軌道が發達し集材機等も用いられておるのに對し,後者はブナ.ヤチダモ等の廣葉樹を産出し機械化が遲れている。被檢者としては勞務者中平均的な8名を選んだ。

グリセリン・寒天液を用いた寄生虫卵檢便法

著者: 佐々學 ,   三浦昭子

ページ範囲:P.39 - P.39

 糞便の寄生虫卵檢査には普通糞便を直接水でといたもの,或は集卵したものにデツキグラスをかけて檢鏡しているが,これを次のような方法で行うと色々な點で便利であることを知つた。

石川知福君の追憶

著者: 野邊地慶三

ページ範囲:P.20 - P.20

 親友石川知福君逝つて早や月餘となつた。
 不幸中の幸と云ふべき事,君は最後迄君の病を不治の病と知らず,教えられるまゝに結核性腹膜炎と信じて,希望をもつて闘病に努めたのであつた。然し回復後もその健康は第一線に歸ることを許し難いと悟り,「十年違算した」と述懐したとの事である。石川君は夙に我國の勞働衞生界の最高峰に昇り,また近くは選ばれて東京大學教授となつて公衆衞生學を擔當するようになつたのであつた。今後の十年間こそは君の生涯の最盛時であつて,君はこの間に必ずや唯々勞働衞生界だけでなく,我國の公衆衞生の進運に偉大な金字塔をうち建て得たに相違ないのであつた。然るに天は君にこの十年の時を與えず長逝させたのは,君のためにまた我が學界のために眞に惜しみても餘りある事であつた。

厚生省便り

ページ範囲:P.45 - P.45

社會保障に關する調査について
 國民の生存權を保障するため,早急にその解決を國民各層から要望されている社會保障制度を確立するための基礎資料として,今度全國的な規模において社會保障綜合基礎調査が實施されることゝなり,その一環として先ず全國6萬世帯を對象とする醫療調査が6月1日から1ケ月間實施される。なおこの調査と並行して醫療施設(病院,診療所,その他の醫療施設)についても6月中に調査を行うことになつているが,これ等の調査はその對象が國民各階層にわたり,從來に例を見ない大規模な調査であつて,その成果については多大の期待がかけられている。

統計の頁

ページ範囲:P.47 - P.50

腸チスパラチフスの統計
 腸チフス,パラチフスの流行季に入つた。終戰後諸般の公衆衞生對策が奏効して腸,パラの罹患率,死亡率が著者に低下したといわれ,クロロマイセチンその他の化學療法剤が今迄手のつかなかつた腸・パラの治療の面に登場し,非文明病の一つといわれる本症を完全に封殺する時も近い感じがする。しかし油斷はできない。淺間の腸チフス集團發生や豊島病院事件のような事が時々起るならば監視の手をゆるめ,豫防對策を怠ることを戒めなければならない。
 昨今の腸・パラの罹患や死亡の状況はどうなつているのであろうか。ここに腸・パラに關する新しい統計資料を提供し,その動向と現状をお傳えしたい。

公衆衞生の發達・5

産業革命と公衆衞生

著者: 杉靖三郞

ページ範囲:P.40 - P.41

 18世紀になつて,他の文明國を動かしたと同じ要因によつて,イギリスも影響をうけた。都會はその数においても,また大いさにおいても,急激に増大した。この要因は主として機械力の利用によるもので,いわゆる産業革命とよばれるものである。この産業革命がヨーロツパ各國民に與えた影響は甚大なものであつた。この革命は人類の歴史のうちで最も大きな影響をおよぼし,單なる動亂的な革命に比べれば雲泥の相違であつた。
 この産業革命によつてもたらされた,輸送,機械の發明,新しい農業の形態など,深刻な變革については,こゝでは觸れないことにする。こゝで問題にしたいのは,18世紀の初期から始まり,18世紀の中期から急激に増加した人口の都市集中についてゞある。

隨感隨想

KamalaとAmara

著者: 高野六郞

ページ範囲:P.42 - P.43

 カマラとアマラは童話の假構人物ではなく,存在した印度人の女兒だということである。それは狼の子になつて,狼の家族の一員として養育された人間の子の名前だと近頃よんだ英國の醫學雜誌にかいてある。もつともこの話はかなり古いできごとである。
 インドのベンガルの中部ナパールの孤兒院の牧師J.A.Singhが,山で狼狩りをしたさい生捕つた奇怪な動物を正しい人間と認め,それを人間の社會へ連れもどして教養を加えながら,心理的發展を精細に觀察して記録したのがHistory ofthe life Kamalaという本なのである。ただし氏の本の著者はArnold Gesellという作者だから,或は事實らしくかいたフイクションかも知れない。しかも筆者はこの物語の抄録を讀んだだけなのだから,敢えて之を實話だと保證するわけではない。ただ實話とすれば面白い條件である。

公衆衞生學と近代精密標本論

著者: 富士山

ページ範囲:P.43 - P.44

 公衆衞生學が最も其實用性を發揮している領域の一に産業醫學,廣い意味の勞働衞生がある。公衆衞生學的活動の半ば以上は産業界においてその實現が期せられているともいえる,勿論産業界以外にも公衆衞生學は廣く活用されているが,個々人からなる社會大衆に對してよりも産業場,學校等廣く云えば勞働基準法適用産業場を一單位としての公衆衞生學の廣用は實現性にも利用性にも希望のもてるものであろう。敗戰後一時どん底に陷つた産業界も今や復興の途をたどつているのは喜ばしい,産業衞生の興隆をはなれて産業界の眞の復興をのぞむことは考えられない,この意味で1昨々年11月から實施されている勞働基準法は働く者のための憲法であると同時にその細則にあげられている衞生管理者の制度はどれも産業衞生の進展に役立つものでなければならない。
 現在我國の産業醫學の實際的方面が府縣單位で進んでいるのは産業界が勞働基準法と離れられないものであり,勞働基準法の法的威力は勞働基準局を通じて發揮されるところから見て最も自然な成り行きであろう。各府縣には夫々衞生管理者協會があり活動の大小こそあれ勞働衞生に精進している筈である,それで我國の産業衞生,勞働衞生の状況は各府縣單位にながめるのが自然的と解される。府縣を單位とした産業衞生の大觀をつかみとるべきである。公衆衞生の問題も我々の考えるところでは現在は抽象的議論の道程はすでに止揚すべきところまできていると思う。

海外文獻

むし齒はどうして出來るか? 大なる謎!!!

著者: James & Peta Fuller

ページ範囲:P.51 - P.52

 過去一世紀間に歯科は職業となりそして科學となつた,むし齒に關する學説は女の流行衣の如く其時其時に變つたのである。或る説が勢のあるときはむし齒を減少させるとか或は之を無くすと思われるような凡百の手段方法か案出され,其手段方法の目録は極めて長いものである。乃ちビタミン類とか,カルシユムとか,燐酸鹽とか,鑛物質の平衡とか,チユーインガムとか,合成したキノン劑とか抗生物劑とか,アンモニアとか,尿素とか口中洗剤とか,齒磨粉とか,齒刷子と刷子材料とかアルカリ灰食事とか,齒牙洗滌性食事とか,靱強なる食事とか,蛋白食とか,或は感情的な生活安全に關係あり等とかであつた。之等緒説の何れもか,宣傳家や眞面目な研究者連によつて時を同うし,或は異なる時期に主唱されたのでありそして公刊の印刷物で一時賑かされたものであつた。以上諸般の勞策は現在の學校には大部分は無効なりとの烙印を押されている。
 約十年前は弗素はそれ自身か悪黨の部類であつた,即ち弗素はエナメル様の黒斑を作るのであり人々はそれを警戒し且注意して居つた。それにも拘はらず弗素は最近齒科醫の非常に大なる見込あるものとなつた。或る條件下では弗素は何故有効なのか或はどうしてきくのかわからないが作用するように思はれた。それに關する弗素使用の樂觀説か抑止し得られなくなつた。

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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