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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生8巻1号

1950年07月発行

文献概要

隨感隨想

KamalaとAmara

著者: 高野六郞1

所属機関: 1北里研究所

ページ範囲:P.42 - P.43

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 カマラとアマラは童話の假構人物ではなく,存在した印度人の女兒だということである。それは狼の子になつて,狼の家族の一員として養育された人間の子の名前だと近頃よんだ英國の醫學雜誌にかいてある。もつともこの話はかなり古いできごとである。
 インドのベンガルの中部ナパールの孤兒院の牧師J.A.Singhが,山で狼狩りをしたさい生捕つた奇怪な動物を正しい人間と認め,それを人間の社會へ連れもどして教養を加えながら,心理的發展を精細に觀察して記録したのがHistory ofthe life Kamalaという本なのである。ただし氏の本の著者はArnold Gesellという作者だから,或は事實らしくかいたフイクションかも知れない。しかも筆者はこの物語の抄録を讀んだだけなのだから,敢えて之を實話だと保證するわけではない。ただ實話とすれば面白い條件である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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