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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生8巻2号

1950年08月発行

文献概要

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世界における社會醫學公衆衞生教育の動向(2)

著者: R. サンド

所属機関:

ページ範囲:P.66 - P.67

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 しかし社會醫學が將來の醫師の訓練にたちいる戸口がもう1つある。それは臨床醫學である。病院の病室では,患者は外界から隔絶され,凡ての設備がとゝのいベツトも布團も同居者全部が同じなので,それらの男女に家族があり,家庭・商賣・蓄財・負債など要するに凡ゆる種々の世俗的なことゝ彼等についた生活があることを忘れやすい。1878年という昔は,アメリカ醫學界の傑物の1人J. S. Billingsは,學生は自らの環境にある患者を訪ねるべきことを強調した。19世紀の終りに,ゼノアのMaraglianoとDevoto,ボルテイモアのOslerはその學生達を結核患者の家庭訪問にやつた。ニューヨークのA. Meyerは精神病例に同様のことを行つた。ボルテイモアでC. P. Emersonは學生と一處に訪問した後で討論をした。
 イギリスの病院にAlmohers(慈善院)が加えられたとき(Sir C. Loch,1895)さらにアメリカの病院に社會事業が附屬したとき(R. C. Cabot,1905),醫學的社會的因子の研究が組織的に結びついた。そうしてローマでBaccelliが,パリーでLandouzyがその數年前はじめた社會醫學的臨床講義は種々のアメリカの大學に1913年から内科,外科,産科,小児科や精神科の教授達によりしばしば豫防醫學教授と病院社會事業部長の共同作業で組織されるようになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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