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結核の感染と發病
著者: 岡西順二郞1
所属機関: 1東京都小石川保健所
ページ範囲:P.117 - P.120
文献購入ページに移動結核は結核菌の感染によつておこる傅染病である。肺結核患者の痰,飛沫等によつて,結核菌が未感染者に侵入するのがもつとも多く見られる經路である。腎臟結核患者の尿,腸結核,肺結核患者の糞便,結核性膿瘍その他の膿汁などにも結核菌が含有せられるが,これが感染をおこす因子となることは稀である。結核牛の牛乳が牛型結核菌の感染をおこさせることは,わが國ではきわめて稀有であると考えられている。
結核菌が侵入する門戸は大多數の場合,呼吸器とくに肺である。しかも,これは,飛沫感染或は塵埃感染の形で呼吸器内に吸引せられる場合がもつとも多い。衣類,寢具,書籍などに附着した結核菌は比較的長時間生存するが,これが塵埃感染の形式で感染をおこすこともあり得る。
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