文献詳細
文献概要
對談
アメリカの衞生教育
著者: 緖方富雄 楠本正康
所属機関:
ページ範囲:P.133 - P.136
文献購入ページに移動楠本 僕はヘルス・エジュケーションということを中心にして見てきたのですが,アメリカでは行政に對する國民の考え方を基礎として衞生教育が必要なんですね。だから日本とはまた別の意味の必要があるんですね。つまりもつと具體的に申しますと,民主的な行政というものは,結局それを衞生行政の面からみればですね,衞生教育が根本だということになるのです。アメリカでは衞生の問題を上から押し付けたり權限で仕事をするというのはとても惡いことになつているのです。それではどういうことかというと,國民の良き理解と協力ですね,これによつてのみはじめて衞生行政は完全に行われうるという考え方なのです。従つて,國民の良き理解と協力とを得るためには,ここに衞主教育が基盤になるのです。あちらは御承知のように州も郡も市も獨立しておりますが,ある市の,またはある郡の衞生行政が非常に振わなかつたとすれば,その根本を更に突いてみると,衞生教育が滲透していないからだという結論をつくるわけでね。
掲載誌情報