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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生8巻3号

1950年10月発行

文献概要

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疫學總論(2)

著者: 野邊地慶三

所属機関:

ページ範囲:P.156 - P.158

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第2講 傳染源
Ⅰ 患者
(1)患者の傳染危險期間
 各種傳染病患者の周圍に對する傳染危險期間を確認することは傳染源對策の第一の問題である。ハシカはその傳染危險期間が最も確然とした病氣であつて,初期のカタール期3〜5日,發疹期3〜5日,計6〜10日平均8日が危險であるが,發疹が消えると同時に危險が止むものである。從つて學校傳染病豫防規程で主要症状消退後なほ1週間登校を禁止してあるのは,行政との安全率を考慮した處置であつて,學校醫は上述の疫學的事實から手心を加えてよいのである。猩紅熱では一般に發病後3週間で危險期が終るのであるが,小兒では4週間,大人でも冬期は同じく4週間に延びる。なお中耳炎,副鼻洞炎,鼻カタール等の合併症が起ると,その全快する迄延長するものである。この樣な合併病がある場合,若し平常の規準通りに,退院させると退院後家庭内二次感染例Return Caseを起すものである。但し本病の落屑は危險がないものである。天然痘は痂皮が剥離すれば患者は傳染源としての危險がなくなるが,痂皮内のヴイールスは長く生きて居るので危險である。また百日咳は初期のカタール期1〜2週間,痙咳期の初めの3週間,都合4〜5週間傳染の危險があるのである。本病の痙咳はなお數週間乃至2〜3ケ月間續くことがあるが,上記の期間が過ぎれば,最早隔離を必要としないものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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