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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生8巻3号

1950年10月発行

文献概要

公衆衞生の發達・6

疫病の確認とその豫防—公衆衞生の出發

著者: 杉靖三郞

所属機関:

ページ範囲:P.159 - P.160

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 18世紀にはいつて,國家が公衆衞生の一面を管理しはじめた。それは18世紀以來19世紀を通じてペストが流行したので,それが侵入することを防ぐために,港々に檢疫所を設けたのである。近東からペストがヨーロツパにはいつて流行を見たのは1709年にロシヤであつて,次いで中部ヨーロツパに擴がり,更に1720年にはマルセイユとチユーロンに流行つた。
 この18世紀のマルセイユの流行が,イギリスにはいらなかつたのは,港に檢疫所を設けたからであつて,疫病を喰いとめる效果があつたのである。この檢疫所というものは,現在では,古臭い,厄介な,そして不人情なものと考えられがちであるが,實際に大きな效果があつたのである。そして,それにつづいて避病院が數多く建てられるに至つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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