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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生8巻3号

1950年10月発行

文献概要

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質疑應答

著者: 染谷四郞1

所属機関: 1公衆衞生院

ページ範囲:P.166 - P.168

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 問 BCGワクチン注射は結核の發病を防止し,死亡率を低下させるが,自然感染の豫防にはあまり期待できないといわれている。豫防注射は本來感染防止を目的としたものであることから考えると,少し不思議に思えるが,これは一體どうしたわけでしようか。
 答 一般に疾病の豫防にワクチン注射を行うことは感染豫防と,發病豫防との兩方をその目的としているものである。すなわち感染防禦の免疫抗體が充分生體内に産生されておれば,その病原體の浸襲は行われず,あるいは浸入した病原體も直ちに死滅されて感染が防禦されるであらう。しかし免疫が感染を防禦するほど強くなければ病原體の感染は免がれ難いが生體内で増殖が疎止されて發病までに到らないようにすることも期待出來る。このことはまた免疫が充分出來ていても,病原體の毒力の強弱によつて樣子が變つてくる。例えば結核菌のように免疫體の存在する生體内においても菌が増殖し,生存して行くことの出來る場合は感染豫防の面は少なくて,發病防止に專ら豫防注射の效果を期待することになるのはやむを得ないことゝ考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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