保健所便り・Ⅱ
東京都小石川保健所
著者:
岡西順二郞1
所属機関:
1東京都小石川保健所
ページ範囲:P.217 - P.217
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東京都小石川保健所は不幸にも,戰災を蒙つたが,東京都の保健所復興第一計畫で,昭和23年7月252坪の建物が落成した。その年10月に新制保健所として出發した。けれども,管内の情勢は決して花やかなものではない。面積は6,2平方人口は95,000。食品衞生,環環衞生,醫藥業行政の對象となるものは別表の通りである。しかし,盛場を管内にもたない關係から,あまりパツとしたものはない。プールが12もあるのは,いささか多いようであるが,皆官立,都立,私立の學校のプールである。興行場は6であるが,あまり大きくない映畫館が3,他の3は後樂園スタヂアム,後樂園競輪場及び後樂園バスケツトボール競技場である。
小石川保健所管内の大きな特徴は學校の多いことである。教育大學,お茶の水大學,學藝大學,日本女子大學を始めとし,官公私立の學校が多數あつて,學校衞生研究にはもつて來いの場所ではあるが,殘念なことには,學校衞生は教育廳の責任であるとばかりに,中々手出しが許されない。レントゲン裝置を持つている學校さえ2校ある始末である。