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「公衆衛生」書評
—福原 俊一 編集代表—現代医療に疑問を持つ方に読んでいただきたい一冊『医療レジリエンス—医学アカデミアの社会的責任』 フリーアクセス
著者: 柴垣有吾1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学
ページ範囲:P.36 - P.36
文献購入ページに移動大変に恥ずかしい話ではあるが,私はこれまでレジリエンス(resilience)という言葉の意味をよく知らなかった.レジリエンスはもともと,物理学の用語で「外力によるゆがみをはね返す力」を意味したが,その後,精神・心理学用語として用いられ,脆弱性(vulnerability)の対極の概念として「(精神的)回復力・抵抗力・復元力」を示す言葉として使われるようになったという.今回,評者がこの書評を依頼された理由を推測するに,評者が最近,超高齢社会における現代医療の限界・脆弱性を指摘していたことにあると思われる.もっともその指摘は身内に脆弱高齢者(frail elderly)を抱えた個人的体験によるもので,アカデミックな考察には程遠いものである.
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