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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻11号

2016年11月発行

特集 精神保健医療福祉の改革

精神保健医療福祉の改革ビジョンの成果と今後の課題

著者: 竹島正12 立森久照23 高橋邦彦4 山之内芳雄2

所属機関: 1川崎市精神保健福祉センター 2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 3大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター 4名古屋大学大学院医学系研究科臨床医薬学講座生物統計学分野

ページ範囲:P.790 - P.796

文献概要

 2004年の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」(以下,「改革ビジョン」)は「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的な方策を推し進め,国民各層の意識の変革や,立ち後れた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を今後10年間で進めるとした.その10年間を過ぎた今日,筆者らの行った研究の成果などをもとに「改革ビジョン」の10年の達成目標の動向を振り返り,障害福祉計画に係る基本指針の成果目標との比較の中で,新たな達成目標のあり方と地域のストレングスを尊重した精神保健医療福祉改革を推進するための課題を述べる.なお,本稿は厚生労働省の「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の「第2回新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」(以下,分科会)における筆者(竹島)のヒアリング記録を参考にしている.

参考文献

1)竹島正,他:新たな精神病床算定式の合理性の検証と精神医療改革の実現に関する研究—新たな病床算定式による各都道府県別の基準病床数に関する研究—.平成16年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)「新たな精神病床算定式に基づく,早期退院と社会復帰促進のための精神保健福祉システムに関する研究」総括・分担研究報告書(主任研究者・竹島正),2005
2)立森久照,他:地域のストレングスを活かした精神保健医療改革に資する資料の作成.平成27年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)「地域のストレングスを活かした精神保健医療改革プロセスの明確化に関する研究」総括・分担研究報告書(研究代表者・竹島正),2016
3)竹島正,他:地域精神保健医療の社会サービスへの統合および精神医療機能別必要量の検討に関する研究—精神科入院受療必要量の算定方法の検討—.平成24-26年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)「新たな地域精神保健医療体制の構築のための実態把握および活動の評価等に関する研究」(研究代表者・竹島正),2015
4)竹島正,他:地域のストレングスを活かした精神保健医療改革達成における情報共有と対話促進に関する研究—神奈川エリアにおける精神保健医療の可視化と情報共有—.平成27年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)「地域のストレングスを活かした精神保健医療改革プロセスの明確化に関する研究」,2016
5)高橋邦彦:空間疫学を用いた分析,視覚化の検討.平成27年度日本医療研究開発機構障害者対策総合研究事業[障害対策総合研究開発事業(精神障害分野)]「精神医療に関する空間疫学を用いた疾患発症等の将来予測システムの開発に関する研究」(研究開発代表者:立森久照),2016
6)小山明日香,他:各都道府県の1年未満在院患者群の退院に関する指標「平均残存率」に関連する要因の検討.日本社会精神医学会雑誌17(2):159-167, 2008
7)竹島正,他:精神病床数と23条通報の関連からみた地域精神医療におけるunmet needs.平成27年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)「地域のストレングスを活かした精神保健医療改革プロセスの明確化に関する研究」,2016
8)全国精神保健福祉連絡協議会:地域精神保健の態勢強化を望む,2016年8月1日 http://renraku-k.jp/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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