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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻12号

2016年12月発行

特集 行政保健師の質の保証—卒後教育・CPD

結核対策を支える保健師教育・研修制度の歴史と現在の課題

著者: 小林典子1

所属機関: 1公益財団法人結核予防会

ページ範囲:P.923 - P.928

文献概要

 結核が薬で治る時代となった1960年代,家庭訪問の際に保健師(当時は保健婦.本文では師と表記する.看護師も同)は必ず「薬をのんでますか?」と患者に質問をした.当時,「飲んでますか?」というアリナミンのテレビコマーシャルが話題になっていたことから,「のんでますか?」と聞く保健師は“アリナミン保健師”と揶揄された.
 当時を知る医師にその時の状況を聞いたことがある.「一番大切なことを聞いているのだから,誇りをもって『のんでますか』と聞くように,研修会で保健師さんを励ましたことを覚えている」との返答があった.研修で最新の知識を学んだ保健師は,薬をのまないとどうなるのか,経験と知識の両面から服薬中断による弊害を予測して,「のんでますか?」と患者に問いかけていたのである.その研修は現在も結核予防会結核研究所にて継続されている.

参考文献

1)結核予防会(編):六十年の軌跡.結核予防会,1999
2)保健婦結核研修 50年のあゆみ.桐蔭会報第47号,1993
3)島尾忠男:特集①結核展望100号を迎えて 50年を振り返って.保健師・看護師の結核展望100:2-7, 2012
4)森亨:特集①結核展望100号を迎えて 50年を振り返って.保健師・看護師の結核展望100:15-19, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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