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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻12号

2016年12月発行

文献概要

連載 [講座]子どもを取り巻く環境と健康・22

社会経済要因の影響—(1) 死産,早産,出生体重

著者: 花岡知之1 田村菜穂美12 岸玲子1

所属機関: 1北海道大学環境健康科学研究教育センター 2北海道大学大学院保健科学院

ページ範囲:P.943 - P.948

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 死産,早産,出生体重は公衆衛生において重要な課題である.これらに影響する要因の一つとして社会経済要因が指摘されてきた.社会経済要因は対策によって予防あるいは変容できる要因でもあるので,丁寧に検討する価値がある.しかし実際に社会経済要因がどのように生活習慣や医療に影響した結果として胎児の発達に差がでるのかは未だに仮説の域をでない部分が多く議論の余地がある.また時代によって変化する要因でもあるため経年的な観察により仮説を立て,よくデザインされた疫学研究によってその詳細が解明されることが期待される.

参考文献

1)Wilcox AJ:Fertility and Pregnancy:An Epidemiologic Perspective. NC:Oxford University Press, 2010
2)Galobardes B, et al:Indicators of socioeconomic position(part 1). J Epidemiol Community Health 60(1):7-12, 2006
3)吉田穂波,他:人口動態統計からみた長期的な出生時体重の変化と要因について.保健医療科学63(1):2-16, 2014
4)Fujiwara T, et al:Income inequality, parental socioeconomic status, and birth outcomes in Japan. Am J Epidemiol 177(10):1042-1052, 2013
5)Teramoto S, et al:Physical and socioeconomic predictors of birthweight in japan. Pediatr Int 48(3):274-277, 2006
6)Norsker FN, et al:Socioeconomic position and the risk of spontaneous abortion:a study within the Danish National Birth Cohort. BMJ Open 2(3):e001077, 2012
7)Leung JY, et al:Socioeconomic disparities in preterm birth and birth weight in a non-Western developed setting:evidence from Hong Kong's ‘Children of 1997' birth cohort. J Epidemiol Community Health. 2016, doi:10. 1136
8)川上憲人,他(編):社会と健康.東京大学出版会,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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