文献詳細
文献概要
予防と臨床のはざまで
病気の相談に思うこと
著者: 福田洋1
所属機関: 1順天堂大学医学部総合診療科
ページ範囲:P.957 - P.957
文献購入ページに移動相談いただくことはとても有り難いことではありますが,日々多くの業務に追われていると,十分に対応できなかったり,あまりに気軽に相談されたりすると迷惑に感じることもあります.特に最近は,メールやフェイスブック,LINEなどのSNSツールで,人に簡単にコンタクトを取れるようになっています.以前は,たまたま会った時でないと相談できなかったようなことが,今は24時間気軽にできてしまいます.そんな時,善意で答える立場としては,単なる知り合いの医師レベルで返信すべきか,ドクターG的な総合診療医の意見を期待されたのか,義理がある人であれば誠心誠意対応すべきか…と悩むわけです.臨床では普通のことですが,目の前に困っている,苦しんでいる人がいるとほっておけない,という行動原理が働きます.極端な話ですが,沢山の聴衆がいる講演が控えていても,かかりつけの患者さんから1本電話が来れば対応せざるを得ないというのが臨床だと思います.
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