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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻3号

2016年03月発行

文献概要

特集 心疾患最前線

過重労働と脳・心臓疾患

著者: 藤田雅史1 上松正朗1

所属機関: 1関西ろうさい病院 循環器内科

ページ範囲:P.198 - P.202

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 急性心筋梗塞や狭心症といった心疾患や脳梗塞,くも膜下出血などの脳疾患はわが国の死因第2位,第3位であり,循環器疾患としてみると死亡原因の28.3%を占め,悪性新生物死亡(30.1%)に匹敵する(2005年).しかも,勤労者の中・高齢者において発症頻度が高い疾患であり,発症してしまうと突然働き盛りを襲うことから死亡(過労死を含む)もしくは後遺症による社会的経済的損失は大きく,その発症予防対策の確立は急務である.従来,高血圧や糖尿病といった生活習慣病が脳および心疾患の危険因子とされている中で,過労や精神的ストレスとの関連が大きいと推測されており,逆に労働をストレスの少ないものに改善することによりある程度の予防も可能と考えられる.よって勤労者特有の危険因子がないかを認識することは必要なことと考え,今回われわれ医療現場で勤務している職員を対象にいかにまたどのような因子が脳・心臓疾患の発症に寄与しているかを検討した1)

参考文献

1)南都伸介,他:「業務の過重負担による脳・心臓疾患の発症の実態及びその背景因子の研究・開発,普及」研究報告書 労災疾病等13分野医学研究・開発,普及事業 分野名 『業務の過重負荷による脳・心臓疾患(過労死)』,2008
2)内山集二,他:降圧剤治療を受けている50歳代男性労働者における脳心事故の危険因子.産業医学34(4):318-325, 1992
3)Liu Y, et al:Overtime work, insufficient sleep, and risk of non-fatal acute myocardial infarction in Japanese men. Occup Environ Med 59(7):447-451, 2002
4)Kivimäki M, et al:Long working hours and risk of coronary heart disease and stroke:a systematic review and meta-analysis of published and unpublished data for 603,838 individuals. Lancet 386(10005):1739-1746, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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