予防と臨床のはざまで
文天シンポジウム—重症化予防
著者:
福田洋1
所属機関:
1順天堂大学医学部総合診療科
ページ範囲:P.228 - P.228
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健康診断に携わるスタッフの勉強会として,医療法人社団同友会内で始まった「文天ゼミ」ですが,今では医療スタッフのみならず,健康保険組合や企業の産業保健スタッフも参加し,健康診断に関わる最新医療情報や,予防医学のエッセンス,健診データの統計やプレゼン手法などを学ぶ場となっています.そんな文天ゼミも66回を数え,今回(2015年10月27日,文京シビックセンター)は朝まで生テレビ風の大激論をしよう!ということに.題して「文天シンポジウム〜激論! どうする? 重症化対策」.現場での方策になかなか結論が出にくい重症化対策をテーマに選び,立場の違うシンポジストをコの字型に並べた机に配置し,2時間たっぷり議論するという趣旨で行いました.実は企画を立てた時点で,田原総一郎さんご本人に体裁を真似する許可をいただきました.オープニングは音楽を流しながら一人ずつ拍手で入場.議論を活性化させるため,発言は1人1分以内,できれば30秒以内,本音の会話のキャッチボールで進行するというルールで進めました.
議論の前に私から,特定健診・保健指導からデータヘルスまでの最近の生活習慣病対策のトレンドを示し,重症化対策について「糖尿病や高血圧などの生活習慣病のハイリスク者に対して,医療機関と連携して生活習慣病の進行や合併症の発病を抑える取組み」との定義を説明しました.同じ生活習慣病対策でも,特定保健指導のメインターゲットである生活習慣の見直しで改善が期待される対象と違い,早急に医療機関受診の必要があるリスクの高い対象であることを強調し,そんな放っておけない働き盛りの人に何をすべきかを議論しました.