文献詳細
特集 産業保健のトピックス
文献概要
医療保険者が職場の健康づくりを支援する
超少子高齢化の進展に伴い,生活習慣病の増加や医療費の高騰だけでなく,企業の生産性や地域社会を維持する担い手確保といった課題が顕在化している日本.政府ではこのような社会環境の変化を背景に,2013年より金融政策,財政政策に続く“第3の矢”として,「新たな成長戦略(日本再興戦略)」の展開を図っています.「日本再興戦略」の2番目のアクションプランである「戦略市場創造プラン」のトップに“国民の健康寿命の延伸”が掲げられました.今後,国民全体が加齢しても,できるだけ健康を維持して病気にならないようにし,生産性の低下や医療費の高騰を防ごうというものです.その実施主体として位置づけられたのが医療保険者です.国民皆保険下ですべての国民をカバーし,医療費をマネジし,レセプト・健診・保健指導といった健康関連データが蓄積される保険者の機能を有効活用します.
ただ,「保険者は,健康管理や予防の必要性を認識しつつも,個人に対する動機付けの方策を十分に講じていない」ことが重要な課題とされました.成長戦略では,この課題を解決する方向性として,「予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり」として,健保組合や全国健康保険協会(以下,協会けんぽ)などの保険者に「データヘルス計画」の策定および実施を求めることになりました.“データに基づく科学的なアプローチにより保健事業の効果・効率をあげる”データヘルス計画.この新たな仕組みは,企業が取り組む健康増進活動をどのように変えるのでしょう.
超少子高齢化の進展に伴い,生活習慣病の増加や医療費の高騰だけでなく,企業の生産性や地域社会を維持する担い手確保といった課題が顕在化している日本.政府ではこのような社会環境の変化を背景に,2013年より金融政策,財政政策に続く“第3の矢”として,「新たな成長戦略(日本再興戦略)」の展開を図っています.「日本再興戦略」の2番目のアクションプランである「戦略市場創造プラン」のトップに“国民の健康寿命の延伸”が掲げられました.今後,国民全体が加齢しても,できるだけ健康を維持して病気にならないようにし,生産性の低下や医療費の高騰を防ごうというものです.その実施主体として位置づけられたのが医療保険者です.国民皆保険下ですべての国民をカバーし,医療費をマネジし,レセプト・健診・保健指導といった健康関連データが蓄積される保険者の機能を有効活用します.
ただ,「保険者は,健康管理や予防の必要性を認識しつつも,個人に対する動機付けの方策を十分に講じていない」ことが重要な課題とされました.成長戦略では,この課題を解決する方向性として,「予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり」として,健保組合や全国健康保険協会(以下,協会けんぽ)などの保険者に「データヘルス計画」の策定および実施を求めることになりました.“データに基づく科学的なアプローチにより保健事業の効果・効率をあげる”データヘルス計画.この新たな仕組みは,企業が取り組む健康増進活動をどのように変えるのでしょう.
参考文献
1)山田義夫,他:大阪地区勤労者における突然死の発症の実態およびその背景因子に関する検討.日本災害医学会会誌45(11):687-690,1997
2)古井祐司:早死にする仕事,長生きする仕事—働き方を変えれば,寿命は10年延びる! マガジンハウス,2014
3)東京都福祉保健局:企業経営者向けリーフレット「働き方とメタボの関係とは?」,2014 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/10/DATA/20oar400.pdf
4)古井祐司:社員の健康が経営に効く.労働調査会,2014
5)Boles M, et al:The relationship between health risks and work productivity. J Occup Environ Med 46(7):737-745, 2004
6)厚生労働省:データヘルス計画作成の手引き,2014 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061273.html
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