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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻4号

2016年04月発行

特集 産業保健のトピックス

産業保健における人間工学の活用—最近の動向と将来性

著者: 垰田和史1

所属機関: 1滋賀医科大学社会医学講座衛生学部門

ページ範囲:P.263 - P.267

文献概要

 労働の安全性や快適性は,人間(労働者)と労働と環境の3要因によって大きく規定される.人間の要因に属するのは,性別,年齢,体格,体力,性格,健康状態などで,家事・育児負担のように家での疲労原因や疲労回復に影響する事項も人間の要因に属する.心身の障害の有無やその種類・程度もここに属する.労働の要因には,仕事の種類や作業方法,雇用関係や労働時間に関することなど,労働基準法や労働安全衛生法により雇用主に具体的な責務が指示されている種々の事項が属している.環境の要因に属する事項には,温熱や騒音など物理的な事項や有機溶剤など化学的な事項だけでなく,職場の人間関係など心理社会的な事項もある.産業保健では作業管理,作業環境管理,健康管理を介して職場の安全性や快適性の維持向上を図るが,その基礎をなす科学として人間工学がある.

参考文献

1)エティエンヌ・グランジャン(著),中迫勝,石橋富和(訳):オキュペーショナル エルゴノミックス:快適職場をデザインする,ユニオンプレス,2002 (原著;Grandjean E:Fitting the task to the man, 4th ed, Taylor & Francis, 1988)
2)ステファン・コンズ,スティーヴン・ジョンソン(著),宇土博,瀬尾明彦(監訳),日本産業衛生学会・作業関連性運動器障害研究会(編):ワークデザイン,第7版,労働科学研究所,2013 (原著;Konz S, Johnson S:Work Design:Occupational Ergonomics, 7th ed, Holcomb Hathaway, 2007)
3)厚生労働省:業務上疾病発生状況等調査(平成26年). http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/h26.html
4)厚生労働省:職場における腰痛予防対策指針,2013 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034pjn_1.pdf
5)日本農村医学会:こうして起こった農作業事故Ⅳ〜農作業事故の対面調査4年間の総括から.平成26年度農水省補助事業報告書,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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