文献詳細
特集 難病対策
文献概要
医療の著しい進歩により,重症疾患や難病の子どもが以前より長期間生存することができるようになった.左心低形成症候群の子どもは治療により約6割が成人を迎える.また,急性白血病の子どもの5年生存率は8割を超え,約7割の患者が成人を迎える.先進諸国では,慢性的に身体・発達・行動・精神状態に障害を持ち何らかの医療や支援が必要な思春期の子どもや青年が同年代の15%以上を占め,共通の課題となっている1).わが国では一定程度以上の重症度を示す慢性疾患を持つ子どもと家族への支援事業として,小児慢性特定疾患治療研究事業が行われてきた.本稿では,慢性疾患を持つ子どもと家族の問題や同事業の今後の課題について述べる.
参考文献
1)Perrin JM:Children with special health care needs and changing policy. Acad Pediatr 11:103-104, 2011
2)柳澤正義:小児慢性特定疾病対策事業の歴史.日本医師会雑誌144:1164-1167, 2015
3)原田正平:治療管理の進歩と小児慢性疾患の予後について.小児内科43:1434-1437, 2011
4)横谷進,他:小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言.日本小児科学会雑誌118:98-106, 2014
5)厚生労働省社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会:慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の在り方(報告),平成25年12月18日 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032555.html
6)難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年5月30日法律第50号)
7)児童福祉法の一部を改正する法律(平成26年5月30日法律第47号)
8)小児慢性特定疾病情報センター:小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について. http://www.shouman.jp/patient/about/
掲載誌情報