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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻7号

2016年07月発行

文献概要

投稿・地域事情

英国における風力発電を取り巻く実状—HIA(Health Impact Assessment)に着目して

著者: 森松嘉孝1 久保達彦2 藤野善久2 原邦夫3 石竹達也1

所属機関: 1久留米大学医学部環境医学講座 2産業医科大学公衆衛生学講座 3帝京大学大学院公衆衛生学研究科

ページ範囲:P.527 - P.530

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 英国の再生可能ネルギーの比率は3%であり,これは日本の割合と同様で,欧州先進国のなかでも低い(図1).2009年6月に公布された「EU再生可能エネルギー促進指令」1)では,2020年までに自国の最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を15%とする目標が義務付けられ,英国ではこの目標を達成するために,電力における再生可能エネルギーの割合を2010年の9%から2020年までに31%へ拡大する方針を示した2).この計画の柱は風力の大幅拡充であり,洋上風力は現状(2009年)の約9倍,陸上風力は現状の約4倍を見込んでいる(図2).そこで今回われわれは,英国における風力発電事情を健康影響予測評価(Health Impact Assessment;HIA)の視点から視察を行ったので報告する.

参考文献

1)Directive 2009/28/EC of the European Parliament and of the Council of 23 April 2009 on the promotion of the use of energy from renewable sources and amending and subsequently repealing. Official Journal of the European Union L 140 http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CELEX:32009L0028:EN:NOT
2)National Renewable Energy Action Plan for the United Kingdom:Article 4 of the Renewable Energy Directive 2009/28/EC https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/47871/25-nat-ren-energy-action-plan.pdf
3)環境省総合環境政策局 環境影響評価課:改正環境影響評価法等について.2012 https://www.env.go.jp/policy/assess/4-5kensyu/pdf/nendo/h23_kaisei-brief.pdf
4)藤野善久,松田晋哉:Health Impact Assessmentの基本的概念および日本での今後の取り組みに関する考察.日本公衆衛生雑誌54(2):73-80, 2007
5)日本公衆衛生学会版:健康影響予測評価ガイダンス(公衆衛生モニタリング・レポート委員会2011年提案版) https://www.jsph.jp/pdf/JSPH%20MR9%20HIA%20g.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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