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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻8号

2016年08月発行

文献概要

特集 地域包括ケアの進化

地域包括ケアと介護予防—地域づくりの視点から

著者: 柳尚夫1

所属機関: 1兵庫県豊岡保健所

ページ範囲:P.579 - P.583

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介護予防の変遷
 国は,2006年の第3期介護保険事業計画から「介護予防」という概念を導入し,できるだけ多くの高齢者が自立的生活を送り,要介護状態になることを防ぐことを目指した.この考えを進めるために,国は市町村に対して,高齢者をチェックリストでスクリーニングし,要介護状態になりそうな高齢者に,短期間(3カ月)介入をするというハイリスクアプローチの方法論での介護予防を指示した.この施策は,特定高齢者施策と命名され,その後二次予防事業と名前を変えたが,目標としていた高齢者の5%にはほど遠い少数の参加者しか得られず,把握に膨大な費用と人的資源を投入していたことから費用対効果が極端に悪く,導入から9年たった第6期から方向転換をした.当初からこの方法論の課題を指摘する意見は私を含めた関係者から出されていたが,修正に9年かかり,全国の自治体がロスした時間とコストは大きいが,国施策が修正されたことを高く評価している.

参考文献

1)介護予防サービス評価研究委員会:介護予防市町村モデル事業報告書.2005.7.27
2)堀川俊一:介護予防を成功させよう!“いきいき百歳体操の地域展開”.地域リハビリテーション5(1):67-70, 2010
3)米国国立老化研究所,東京都老人総合研究所(著),青柳幸利(監修):高齢者の運動ハンドブック.大修館書店,2001
4)米国国立保健研究所老化医学研究所(著),高野利也(訳):50歳からの健康エクササイズ.岩波書店,2001
5)平成27年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金 地域づくりによる介護予防の取組を推進するための調査研究事業「地域づくりによる介護予防を推進するための手引き」(地域展開編).2016.3,株式会社日本能率協会総合研究所

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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