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特集 地域包括ケアの進化
地域包括ケアと認知症施策
著者: 山口晴保1
所属機関: 1群馬大学大学院保健学研究科
ページ範囲:P.590 - P.595
文献購入ページに移動新オレンジプランの基本的な考え方は,認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるよう,「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」であり,本人の意思が尊重されて自分らしく〈尊厳保持〉と,地域の中で暮らし続ける〈地域包括ケア〉がキーワードになっている.また,医療機関や施設に入り続けるのではなく,適切な医療やリハビリで退院・退所して,その後も適切なサービスが提供される〈循環型の仕組み〉を推奨している.筆者は,循環型という言葉に,「精神科病院を認知症の人の終の棲家にしない」という思いが込められていると考えている.新オレンジプランには7つの柱(表1)がある.本稿ではその①〜⑦の柱について解説・コメントするとともに,認知症の予防施策についての見解を述べる.
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