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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生80巻8号

2016年08月発行

文献概要

特集 地域包括ケアの進化

医療連携・在宅ケアの推進に向けたICT活用とその進化

著者: 松本武浩12

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療情報学 2長崎大学病院 医療情報部

ページ範囲:P.596 - P.601

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 Lancet誌は日本の国民皆保険50周年となる2011年に日本特集号「Japan:Universal Health Care at 50 Years」を発刊した.世界一の長寿を記録しながらも,対GDP比医療費は8.5%とOECD諸国中20位の低さである日本の医療は驚異的とされ,その成果が評価されている1).しかしながら,わが国の医療費は近年,年率2%前後で毎年増加しており,1000兆円を超えた財政赤字を助長している2)
 また,2016年の高齢化率は27.5%と先進国中最も高い上,65歳以上の人口は2042年まで増え続けることが予想されており,超高齢化が医療費の高騰をさらに悪化させている3).一方で2025年は,第一次ベビーブーム時に生まれた団塊の世代が後期高齢者に達する年でもある.このため,以降の10年は最も医療を必要とし,病床は40万床以上不足すると試算されている4)

参考文献

1)Reich MR, et al:50 years of pursuing a healthy society in Japan. Lancet 378:1051-1053, 2011
2)厚生労働省:平成26年度 医療費の動向 http://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/14/xls/iryouhi_data.xls
3)財務省:日本の財政関係資料.平成28年2月,p18 https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201602_all.pdf
4)読売新聞:「介護難民」10年後43万人.2015年6月5日
5)厚生労働省:在宅医療の最近の動向.平成24年 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/h24_0711_01.pdf
6)鈴木荘一:在宅での看取りの意味.佐藤智(編):在宅での看取りと緩和ケア.中央法規出版,2008,pp2-17
7)読売新聞:公費59億 電子カルテ共有システム.26地域中「14」で休止…「審査不十分」総務省指摘.2006年8月13日
8)松本武浩:地域医療連携のIT化.日本臨床内科医会会誌24(1):59-64, 2009
9)松本武浩:地域医療ICT連携が診療所で十分に機能するための条件——長崎県での地域医療ICTネットワーク「あじさいネット」運用を例に—.新医療38(9):32-37, 2011
10)あじさいネット公式ホームページ http://www.ajisai-net.org/ajisai/index.htm
11)認定NPO法人 長崎在宅Dr.ネット公式ホームページ http://doctor-net.or.jp/
12)厚生労働省:政策について 地域包括ケアシステム http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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