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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生81巻1号

2017年01月発行

文献概要

特集 歯科口腔保健の推進

健康寿命延伸のための歯科口腔保健—WHOの戦略

著者: 小川祐司1

所属機関: 1WHO(世界保健機関)国際口腔保健部

ページ範囲:P.15 - P.20

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WHO国際口腔保健
 う蝕や歯周病などに代表される口腔疾患は,先進国・開発途上国を問わず人々のQOLを損ねることから,大きな社会問題であることは言うまでもありません.2007年の第60回WHO総会では,21世紀における口腔保健への取り組みとして,以下が採決されています(日本語訳).
1.健康的な食習慣と栄養摂取の確立により低栄養を改善
2.若年者の禁煙を推進して口腔や全身の健康を増進
3.安全な水の確保や衛生状態の改善により口腔衛生の推進
4.適切なフッ化物の有効利用に関する政策の普及
5.口腔癌予防のリスクコントロールや早期発見ができる保健従事者の養成
6.HIV/AIDSに関連する口腔疾患の早期発見や予防からHIV/AIDS罹患者の口腔健康の増進とQOLの確保
7.予防から早期発見,治療,予後までの一貫した口腔保健体系の整備
8.健康的な生活習慣確立のための学校歯科保健の推進
9.高齢者のQOL向上に対する口腔保健の推進
10.エビデンスべースに基づいた口腔保健情報の再整備
11.口腔保健に関する学術研究の推進

参考文献

1)Yamamoto T, et al:Association between self-reported dental health status and onset of dementia:a 4-year prospective cohort study of older Japanese adults from the Aichi Gerontological Evaluation Study(AGES)Project. Psychosom Med 74(3):241-248, 2012
2)Petersen PE, et al:The Global burden of oral diseases and risks to oral health. Bulletin of the World Health Organization 83(9):661-668, 2005
3)厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会:「健康日本21」中間評価報告書.2007(平成19)年4月10日,pp20-22
4)花田信弘,安藤雄一:高齢者の健康調査における全身状態の評価.厚生科学研究「口腔保健と全身的な健康状態の関係」運営協議会編:伝承から科学へⅡ口腔保健と全身的な健康状態の関係について(冊子1)8020者のデータバンクの構築.口腔保健協会,2000,pp76-107
5)Fédération Dentaire Internationale/World Health Organization:Global goals for oral health in the year 2000. Int Dent J 32(1):74-77, 1982
6)World Health Organization:Oral Health Surveys Basic Methods 5th edition. World Health Organization, Geneva, 2013, pp59-67
7)Ogawa H, Rajeev BE:Oral health promotion of elderly population:Global review(unpublished)
8)小川祐司:From WHO(Geneva)to Readers[6],日本歯科評論75(12):136-137, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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