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連載 ポジデビを探せ!・12
社会変革とポジデビ:今とこれから
著者: 河村洋子2
所属機関: 1 2静岡文化芸術大学文化政策学科
ページ範囲:P.938 - P.943
文献購入ページに移動Arvind Singhal氏は,ポジデビの実践を世界的に牽引している研究者の一人である.本稿では,自身とポジデビの関係を専門である社会変革のためのコミュニケーション(communication for social change)と開発コミュニケーション(developmental communication)の視点から語ってもらいつつ,“社会変革とポジデビ”のテーマで掘り下げてみたい.
前半では,共著者(河村)のSinghal氏に対するインタビューの内容をまとめた.後半では,Singhal氏が医療関連感染制御におけるポジデビ活用の過程において,現場で発見したポジデビ行動の事例を紹介する.後半部分は前半のインタビューの中でSinghal氏が語るポジデビの真髄をハイライトするものであり,読者の理解を深めてくれるであろう.
Shinghal氏について少し詳しく紹介したい.後述するが,彼は故Everett M. Rogers教授(世界的に著名な業績としてイノベーションの普及理論)の最も親しい教え子の一人である.好奇心旺盛で,Rogers教授の下で学ぶ時間を含め,多くの社会変革アプローチを学び,その中に散りばめられた“点”をつないでいる世界でも指折りの研究者である.彼はこれまで,Sternin夫妻も含め,複雑系科学の実践家や研究者と出会う機会に恵まれたと言う.彼の下で学んだ学生や社会変革に取り組む仲間たちを通じ,日本以外でも,米国,オランダ,英国,インド,イスラエル,タンザニアでポジデビネットワークの拡大を支援している.
参考文献
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