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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生81巻2号

2017年02月発行

文献概要

連載 ポジデビを探せ!・4 ケース3:自殺予防

これほど自殺の少ない町が存在するとは—徳島県旧海部町に見出したポジデビ

著者: 岡檀1

所属機関: 1和歌山県立医科大学保健看護学部

ページ範囲:P.184 - P.189

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 日本は自殺の多い国である.1998年に年間自殺者数が3万人を超え,以後14年間その状態が続いてきた.多角的な自殺予防対策が強化されたこと,経済状態が安定したこと等により近年は下降傾向にあるが,その数は今なお交通事故死者数の約6倍に相当し,先進7カ国の中での自殺率は常にワースト1位である.
 私が自殺希少地域—自殺発生の極めて少ない地域について研究したいと考え始めた頃,周囲の反応は否定的なものが少なくなかった.

参考文献

1)岡檀,山内慶太:自殺希少地域のコミュニティ特性から抽出された「自殺予防因子」の検証—自殺希少地域および自殺多発地域における調査結果の比較からー.日本社会精神医学会雑誌21(2):167-180,2012
2)Oka M:Social ecology and suicide;An analysis of topographic and climatic characteristics in areas with low and high suicide incidence. PSYCHOLOGIA 57(2):65-81, 2014
3)岡檀:生き心地の良い町—この自殺率の低さには理由(わけ)がある.講談社,2013
4)岡檀:「自殺希少地域」徳島県旧海部町における相互扶助組織の特性ー旧海部町の「朋輩組」と他町の類型組織との比較からー.コミュニティ心理学研究15(2):136-148,2012
5)岡檀,他:日本における「自殺希少地域」の地勢に関する考察—1973年〜2002年の全国市区町村自殺統計より標準化死亡比を用いて—.厚生の指標59(4):1-9,2012
6)Oka M, et al:Analysis of impact of geographic characteristics on suicide rate and visualization of result with Geographic Information System. Psychiatry Clin Neurosci 69(6):375-382, 2015
7)岡檀,他:自殺希少地域・青森県旧平舘村の地域特性に関する研究.日本社会精神医学会雑誌24(2):112-123,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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