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特集 原子力災害と公衆衛生—避難指示解除後の地域復興に向けて
福島原発災害被災地の地域復興の現状と今後の課題
著者: 開沼博1
所属機関: 1立命館大学衣笠総合研究機構
ページ範囲:P.320 - P.326
文献購入ページに移動東日本大震災・福島第一原発事故(以下,3・11とする)は少子高齢化や人口流出,医療福祉システムの崩壊,既存産業の衰退,コミュニティ再構築の必要性などをあぶり出した.これは,3・11以前の日本だけでなく,他の先進国も普遍的に抱える傾向にある“慢性病”であった.その慢性病を一気に致命的な状況まで追い込んだのが3・11であった.そのため,いまも続くその最先端の課題は極めて解決が困難であり,そこに向き合うことで得られる教訓は次代につながり得るものでもある.
その上で,とりわけ“福島の問題”は複雑でどこから手をつけていいものか,どう語っていいかも分からないようにも見える.“福島の問題”の一番の問題は語りづらさである.
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