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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生81巻8号

2017年08月発行

文献概要

連載 ポジデビを探せ!・9 ケース7:難病患者会の運営

なぜあの患者会はうまくいっているのか?

著者: 岡田純也1 河村洋子2

所属機関: 1活水女子大学看護学部看護学科 2静岡文化芸術大学文化政策学部

ページ範囲:P.689 - P.694

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困難な患者会の運営
 難病の経過は慢性的である.患者は生活の中で多面的な調整をしなければならない.とりわけ病気と付き合うために,疾患に応じた保健行動を実践していく必要がある.そんな難病患者のための生活支援は非常に重要であり,公的な支援のひとつとして,国も“セルフヘルプグループ(以下,患者会とする)の充実”を推進している1)
 患者会とは,一言で言えば,共通の悩みを抱えた患者やその家族の集まりである.そこで問題を共有し,共感と連帯感を基盤にして相互援助を行う.難病と向き合いながら地域で生活を送る患者にとって,地域包括ケアの考え方からみても,患者会の活動は欠かせない資源である.ただし,患者会の運営は難しい.患者自身で行っているため,活動がうまくいっていない患者会が多くあり,全国的にみても,患者会の運営は厳しいと報告されている2)

参考文献

1)厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会:難病対策の改革について(提言).12-15, 2013.http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002udfj-att/2r9852000002udh0.pdf
2)大松尚子:がんの患者会運営のプロセスに関する考察.ルーテル学院研究紀要44:79-92, 2010
3)松下年子,他:日本の患者会をとりまく状況.大熊由紀子,他(編):患者の声を医療に生かす.医学書院pp186-189, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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