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連載 衛生行政キーワード・120
アルコール健康障害と厚生労働省の依存症対策
著者: 松﨑尊信1
所属機関: 1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
ページ範囲:P.758 - P.761
文献購入ページに移動アルコール,薬物,ギャンブルの依存症は,適切な治療と支援によって十分に回復することが可能な疾患である.一方で,従来から,依存症の治療を行う医療機関が少ないことや,治療を行っている医療機関の情報が乏しいことなどの理由によって,依存症者が必要な治療を受けられないことがある,という指摘がなされていた.そのような課題を踏まえ,厚生労働省は,有識者や当事者などによる「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」を開催し,依存症対策についての議論を行い,2013年3月に依存症対策の方向性について報告書1)をとりまとめた.
2013年12月に,アルコール依存症その他の不適切な飲酒の影響による心身の健康障害に関わる対策を総合的・計画的に推進することを目的とした「アルコール健康障害対策基本法」,同年6月に薬物使用などの罪を犯した者に対して執行猶予中に保護観察に付すことができる「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」,2016年12月にカジノ施設を含む特定複合観光施設区域の整備の推進について定めた「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」がそれぞれ成立し,アルコールのみならず,薬物およびギャンブルなどの依存症対策が広く求められることとなった.
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