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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻10号

2018年10月発行

文献概要

「公衆衛生」書評

—浦島充佳(著)—日常診療で使えるVBM(価値に基づく医療)の指南書—『《ジェネラリストBOOKS》外来でよく診る—病気スレスレな症例への生活処方箋—エビデンスとバリューに基づく対応策』 フリーアクセス

著者: 今村英仁1

所属機関: 1公益財団法人慈愛会

ページ範囲:P.773 - P.773

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 「Value-based Medicine(VBM)とは何か?」この本を手に取った方はまずこの疑問を持たれることだろう.そもそも著者は,EBM(科学的根拠に基づく医学)の大家であり,「いかにしてエビデンスを作り,利用するか」を著した書籍や,その基本となる臨床統計学の教科書など,多数のEBM関連著書を出版している.
 一見,エビデンス(科学的根拠)とバリュー(価値観)では正反対の概念のように思われる.とうとうEBMに愛想を尽かしてVBMに寝返ったのかなと言うと然にあらず.この本を読むとVBMはしっかりしたEBMの基盤の上に成立することがよくわかる.“治療”の際にはEBMが大きな力を発揮する.“予防”の際もエビデンスはしっかりと蓄積されてきている.ただ,「馬を水辺に連れていくことはできても,水を飲ませることはできない」.エビデンスを振りかざしてもなかなか実行してもらえないのが予防の世界である.そこで出てくるのがVBMである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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