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視点
地域医療に根ざした公衆衛生(社会医学)人材の育成を目指す
著者: 石竹達也1
所属機関: 1久留米大学医学部環境医学講座
ページ範囲:P.800 - P.801
文献購入ページに移動上記のような設立経緯を持つ本学医学部の卒業生の多くは開業医として地域医療の最前線で活躍している.地域の医師会に所属し,当該地域の行政と連携して母子保健,学校保健,産業保健などの公衆衛生に関連した地域保健活動に寄与している.郡市医師会レベルでは,日常診療を通じて,かかりつけ医として地域住民の疾病予防を行い,治療と健康増進のために適切な医療を提供している.また,①市町村行政と協調しての予防接種や住民向け各種啓発活動,②学校医を通しての学校保健活動,③乳幼児健診,④自院での個別健診,⑤産業医活動など,極めて多彩な地域保健事業に関わっている.都道府県医師会レベルでは,広域的な公衆衛生の向上のための地域保健に関する公衆衛生活動を確保するために,都道府県における各種の事業計画,保健医療計画,健康増進計画,がん対策推進計画などの立案段階から専門家として積極的に関与している.日本医師会レベルでは,国の保健事業に対して,専門家として各種審議会などへ参加することによって,その立案検討段階から積極的に関わっており,厚生労働省・政府施策の決定プロセスへ直接関与している.実際,本学の卒業生の医師会活動は盛んである.現在の日本医師会会長は本学卒業生の横倉義武先生であり,昨年10月からは世界医師会会長も務められている.それ以外にも,西日本を中心に複数の県医師会会長や,多くの郡市医師会会長,理事などの役職を担っている.上記のように多くの卒業生が医師会活動を通じて市町村レベル,都道府県レベル,国レベルにおける公衆衛生の向上に大きく寄与している.
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