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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻11号

2018年11月発行

文献概要

特集 「放射線リテラシー」をめぐる課題

放射線被ばくの影響と,そのメカニズム

著者: 細井義夫12

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科放射線生物学分野 2東北大学災害科学国際研究所災害放射線医学分野

ページ範囲:P.824 - P.829

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はじめに
 細胞が放射線に被ばくすると,DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)に損傷が生じる.細胞には放射線によるDNA損傷を修復する機能が備わっているが,必ずしも完全に修復できるとは限らない.DNA損傷の修復に失敗した場合には,重要な遺伝子を消失することによって細胞死の原因となったり,発癌や遺伝性影響の原因となったりすることがある.臓器・組織を構成する細胞に多数の細胞死が生じると,臓器・組織に「臨床的に意味のある機能障害」が生じる.
 本稿では,放射線によるDNA損傷,臓器・組織や個体の放射線影響,外部被ばくと内部被ばくによる放射線影響について概説する.

参考文献

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2)日本アイソトープ協会(編):ICRP Publ. 103 国際放射線防護委員会の2007年勧告.日本アイソトープ協会,2009
3)日本アイソトープ協会(編):ICRP Publ. 41 電離放射線の非確率的影響.日本アイソトープ協会,1987
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5)Fliedner TM, et al:Medical management of radiation accidents—manual on the acute radiation syndrome. The British Institute of Radiology, 2001
6)ICRP:The Biological Basis for Dose Limitation in the Skin. ICRP Publication 59. Ann. ICRP 22, 1992
7)大西博,他(編著):がん・放射線療法2017改訂第7版.学研プラス,2017
8)付表1.通常分割照射における正常組織の耐容線量.日本放射線腫瘍学会(編):放射線治療計画ガイドライン 2016年版.pp390-391,金原出版,2016
9)放射線被曝者医療国際協力推進協議会(編):原爆放射線の人体影響,改訂第2版.文光堂,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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