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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻11号

2018年11月発行

文献概要

特集 「放射線リテラシー」をめぐる課題

放射線とリスクコミュニケーション

著者: 入江ふじこ1

所属機関: 1茨城県筑西保健所

ページ範囲:P.848 - P.853

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はじめに
 放射線は医療現場以外にも現代社会のさまざまな場所で利用されており,放射線の利用なしには生活は成り立たない.しかし,「放射線は怖い」「放射線を浴びると長期にわたって健康に悪影響がある」というイメージが人々の潜在意識の中にある.いったん事故が発生すると,少量の放射線曝露であっても過剰に反応し,健康不安に陥る.風評被害も含めて,住民に与える心理的・経済的ダメージも長期に渡る.
 本稿では,1999年の東海村JCO臨界事故(以下,JCO事故),2011年の福島第一原子力発電所事故で茨城県が経験した住民の健康不安への対応を基にして,放射線のリスクコミュニケーションにおいて注意すべきと思われることを述べる.

参考文献

1)茨城県:核燃料加工施設臨界事故の記録.茨城県生活環境部原子力安全対策課,2000
2)東海村:JCO臨界事故から10年を迎えて〜語り継ぐ思い〜.pp100-102, 2010 https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/manage/contents/upload/404001_20101101_0003.pdf
3)茨城県保健福祉部:ウラン加工施設臨界事故関連緊急時医療活動・健康調査等報告書.2000
4)原子力安全委員会健康管理検討委員会:健康管理検討委員会報告.2000
5)長瀧重信:原子力災害に学ぶ 放射線の健康影響とその対策.丸善出版,pp75-80,2012
6)西澤真理子:エネルギーフォーラム新書 リスクコミュニケーション.pp88-202,エネルギーフォーラム,2013
7)石井一弘,他:有機ヒ素中毒の10年—ジフェニルアルシン酸中毒の疫学・臨床・代謝.Brain Nerve 67:5-18, 2015
8)環境省:ジフェニルアルシン酸による健康影響について〜茨城県神栖市における有機ヒ素化合物汚染〜.http://www.env.go.jp/chemi/report/h26-03/index.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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