文献詳細
連載 睡眠と健康を考える・1【新連載】
文献概要
はじめに
近年,睡眠の分野における疫学研究の進展によって,短時間睡眠や不眠症などの睡眠障害は,食事・喫煙・飲酒・運動などの他の生活習慣と同様に,動脈硬化の危険因子や心血管疾患の発症を促進することが明らかにされてきている.睡眠の量・質的な障害による睡眠不足は日中に強い眠気や集中力の低下を来すため,産業事故や交通事故の発生の原因になる.そのため,睡眠の問題は広く現代社会に影響を及ぼすものと理解されており,極めて重要な公衆衛生学的問題として認識されるようになっている.
本稿では,最近の睡眠分野の疫学研究データについて,特に国民代表性やエビデンスレベルの高い研究結果を用いたうえで概説する.
近年,睡眠の分野における疫学研究の進展によって,短時間睡眠や不眠症などの睡眠障害は,食事・喫煙・飲酒・運動などの他の生活習慣と同様に,動脈硬化の危険因子や心血管疾患の発症を促進することが明らかにされてきている.睡眠の量・質的な障害による睡眠不足は日中に強い眠気や集中力の低下を来すため,産業事故や交通事故の発生の原因になる.そのため,睡眠の問題は広く現代社会に影響を及ぼすものと理解されており,極めて重要な公衆衛生学的問題として認識されるようになっている.
本稿では,最近の睡眠分野の疫学研究データについて,特に国民代表性やエビデンスレベルの高い研究結果を用いたうえで概説する.
参考文献
1)総務省統計局:平成28年社会生活基本調査.http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/index.html
2)Itani O, et al:Short sleep duration and health outcomes:a systematic review, meta-analysis, and meta-regression. Sleep Med 32:246-256, 2017
3)Jike M, et al:Long sleep duration and health outcomes:A systematic review, meta-analysis and meta-regression. Sleep Med Rev 39:25-36, 2018
4)厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針2014.https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html
5)尾崎章子,他:健康づくりのための睡眠指針2014〜睡眠12箇条〜に基づいた保健指導ハンドブック 厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究.http://www.kenkounippon21.gr.jp/kyogikai/4_info/pdf/suiminshishin_handbook.pdf
6)米国睡眠医学会(著),日本睡眠学会診断分類委員会(監訳):睡眠障害国際分類第3版.ライフ・サイエンス,2018
7)Itani O, et al:Nationwide epidemiological study of insomnia in Japan. Sleep Med 25:130-138, 2016
8)厚生労働省:国民健康・栄養調査.https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html
9)Kaneita Y, et al:Excessive daytime sleepiness among the Japanese general population. J Epidemiol 15:1-8, 2005
掲載誌情報