icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻12号

2018年12月発行

文献概要

連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法・12【最終回】

Finale—音楽療法が照らす新たな光

著者: 三道ひかり12

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室 2日本音楽療法学会

ページ範囲:P.954 - P.958

文献購入ページに移動
Coda
 ソナタ形式.序奏,提示部,展開部,再現部,そして結尾部という構成で繰り広げられる,楽曲形式の一つ.音楽を志すものにとって,あらゆる楽器の楽曲において出てくる定番の形であり,とてもなじみがあるものだ.序奏では,楽曲が始まるという期待感が描写される.提示部での楽曲の主題(テーマ)の出現,展開部における主題の発展性によって,楽曲の色がはっきりと見えてくる.再現部では,提示部を振り返りながら終焉への準備がされ,結尾部(Coda)へと続く.その流れは,まるで人生のように,次から次へと止まることなくつながっていく.思いがけない主題が出てきた展開部があっても,結尾部では全てが収まる.あなたの人生には,終末期までに果たしていくつの主題が出てくるのだろう.
 これまで11回にわたって,米国・ニューヨークや日本における音楽療法と終末期医療の実際を描いてきた.それぞれの地に住む,さまざまな背景を持つ患者さんとの交流も紹介した.今回は,本連載の総括として,現在の日本における音楽療法の現状と,終末期に関連する国内外の動きについて紹介する.

参考文献

1)アルフォンス・デーケン:ユーモアは老いと死の妙薬.講談社,1995
2)Erika Hayasaki:The Death Class:A True Story About Life. Simon & Schuster, New York, 2014
3)厚生労働省:自らが望む人生の最終段階における医療・ケア 人生の最終段階に関する医療・ケアのプロセスガイドライン.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら