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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻3号

2018年03月発行

連載 Coda de Musica 心に響く音楽療法・3

最後まで“自分らしく”生きるためには?—エミリーが見た光

著者: 三道ひかり1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室

ページ範囲:P.253 - P.255

文献概要

終末期に出会う,新たな自分
 前回は,ニューヨークで最初に出会った2名の患者さんとのやりとりを通じて,彼らの光となり伴走者となる音楽療法の役割を説明した.
 当時,在宅ホスピスでは週に1回,他職種との会合ミーティングが行われていた.よく話題となったのは,終末期の疾患であると診断されたのち,ホスピスチームと初めて接触する患者さんの反応であった.ホスピスという言葉で終末期や死という言葉を連想し,サービスを拒否してしまう患者さんが数多くいたからである.病院治療からホスピス・ケアへ移行する.それによって,かつて自分の中に全く存在してなかった,「人生の終わり」という現実を突きつけられる.自分がそれまでに構築してきた“自己”が脅かされる.そのことへの恐怖反応が生じていたに違いない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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