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著者: 石原美千代
所属機関:
ページ範囲:P.260 - P.260
文献購入ページに移動地域保健法が完全施行される前の1年間,私は東京都の保健所で仕事をしていました.都から市に母子保健,栄養改善などの事務が一括移譲されるに当たって,市と打ち合わせを行ったり,翌年度に統合される予定の保健所を訪ねたりしていたことを思い出しました.あの当時,「地域保健法が目指した保健所のあり方」も考えないまま,「住民に身近なサービスは基礎自治体で」と唱えながら,心の中では「本当に市町村に母子保健ができるのだろうか?」と考えていました.今となっては「身近な市町村の役割重視」には異論がありませんし,20年という歳月の長さを実感します.ただ,田上豊資先生が指摘されている「国民の健康課題が変容したとしても,保健所と市町村が,公衆衛生という共通の専門性を発揮して連携・協働することの基本は変わらない」ことを実践できているのか,と疑問に感じているのも事実です.
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