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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻5号

2018年05月発行

文献概要

特集 発達障害者支援の到達点—新しい支援の枠組みを考える

発達障害者の就労支援の実態と,支援体制の充実に向けた課題

著者: 榎本容子12 浅賀英彦3

所属機関: 1元 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 2独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 3独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター

ページ範囲:P.397 - P.401

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はじめに
 近年,大人の発達障害への関心が高まっている.医療現場からは,発達障害の特性がありながらも思春期以降まで配慮を受けておらず,生活の中でさまざまなストレスを経験し,成人期になって初めて受診するケースが多いことが指摘されている1).こうした背景の1つとして,就職活動時や就職後の就労場面での失敗経験が影響していることが考えられる.
 本稿では,「発達障害のある人は就労に当たって,どのような困難に直面するのか」,また,そのような中,「就労支援機関をどのように利用して就労に結びつけているか」「今後の地域連携による就労支援の課題は何か」について,われわれが実施した就労支援機関(発達障害者支援センター,障害者就業・生活支援センター及び地域障害者職業センター)へのヒアリング調査およびアンケート調査の結果2)を紹介する.

参考文献

1)本田秀夫:大人になった発達障害.認知神科学19:33-39, 2017
2)障害者職業総合センター:発達障害者に係る地域の就労支援ネットワークの現状把握に関する調査研究—発達障害者支援法施行後10年を迎えて—.独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構,障害者職業総合センター調査研究報告書,No.135,2017
3)榎本容子,他:発達障害者の就労支援の課題の検討(その1):“知的障害を伴わない”自閉症スペクトラム障害のある利用者に特徴的な就労上の課題.日本発達障害学会第52回大会発表論文集,p54, 2017
4)志賀利一:発達障害者支援センターと他の福祉・就労支援分野との連携についての研究.青年期・成人期の発達障害に対する支援の現状把握と効果的なネットワーク支援についてのガイドライン作成に関する研究,平成21年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業総括・分担研究報告書,pp9-12, 2010
5)障害者職業総合センター:発達障害者就労支援レファレンスブック.独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機,障害者職業総合センター,pp392-393, 2015 http://www.nivr.jeed.or.jp/research/kyouzai/kyouzai48.html
6)榎本容子,他:発達障害者の就労支援ネットワークの構築に向けた課題(その2):関係機関における「連携支援体制」の課題の共通点とその具体的内容の検討,日本職業リハビリテーション学会第45回大会発表論文集,pp96-97, 2017
7)榎本容子,他:障害者の就労支援ネットワークの構築・維持要件に関する文献的考察—発達障害者支援に焦点を当て.福祉社会開発研究 9:77-89, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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