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特集 アレルギー疾患対策
アレルギー疾患医療の均てん化に向けた課題と展望
著者: 山口正雄1
所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学
ページ範囲:P.600 - P.605
文献購入ページに移動アレルギー疾患の構成は診療科ごとに相違があり,似ていると考えられがちな内科と小児科とでも大きく異なっている.成人ではほとんどが喘息であり,専門医も非専門医も多数の患者を診療している.喘息患者は全年齢に多数が分布し(図1)1),特に有症率が高いのは小児期であるため,小児科においても喘息は重要な疾患である1)2).なお,喘息死は近年減少しているものの(図2)2),ほとんどは高齢者である(図3)2).
内科の喘息診療においては,労働者および高齢者への適切な医療提供のため,職場環境や産業医への配慮指導,および家族や介護者に対する指導を必要とする.一方,小児科においては喘息に加えて頻度の高い食物アレルギーおよびアナフィラキシーとアトピー性皮膚炎も重要な診療対象であり,このことが内科との違いといえる.また,全身の臓器を診療する方針が浸透しており,アレルギーマーチに伴うさまざまなアレルギー疾患の自然史を意識していることが小児アレルギー診療の特性であろう3)〜5).
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