文献詳細
特集 アレルギー疾患対策
文献概要
はじめに
アレルギー疾患の構成は診療科ごとに相違があり,似ていると考えられがちな内科と小児科とでも大きく異なっている.成人ではほとんどが喘息であり,専門医も非専門医も多数の患者を診療している.喘息患者は全年齢に多数が分布し(図1)1),特に有症率が高いのは小児期であるため,小児科においても喘息は重要な疾患である1)2).なお,喘息死は近年減少しているものの(図2)2),ほとんどは高齢者である(図3)2).
内科の喘息診療においては,労働者および高齢者への適切な医療提供のため,職場環境や産業医への配慮指導,および家族や介護者に対する指導を必要とする.一方,小児科においては喘息に加えて頻度の高い食物アレルギーおよびアナフィラキシーとアトピー性皮膚炎も重要な診療対象であり,このことが内科との違いといえる.また,全身の臓器を診療する方針が浸透しており,アレルギーマーチに伴うさまざまなアレルギー疾患の自然史を意識していることが小児アレルギー診療の特性であろう3)〜5).
アレルギー疾患の構成は診療科ごとに相違があり,似ていると考えられがちな内科と小児科とでも大きく異なっている.成人ではほとんどが喘息であり,専門医も非専門医も多数の患者を診療している.喘息患者は全年齢に多数が分布し(図1)1),特に有症率が高いのは小児期であるため,小児科においても喘息は重要な疾患である1)2).なお,喘息死は近年減少しているものの(図2)2),ほとんどは高齢者である(図3)2).
内科の喘息診療においては,労働者および高齢者への適切な医療提供のため,職場環境や産業医への配慮指導,および家族や介護者に対する指導を必要とする.一方,小児科においては喘息に加えて頻度の高い食物アレルギーおよびアナフィラキシーとアトピー性皮膚炎も重要な診療対象であり,このことが内科との違いといえる.また,全身の臓器を診療する方針が浸透しており,アレルギーマーチに伴うさまざまなアレルギー疾患の自然史を意識していることが小児アレルギー診療の特性であろう3)〜5).
参考文献
1)日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会(監修),「喘息予防・管理ガイドライン2015」作成委員(作成):喘息予防・管理ガイドライン2015.協和企画,2015
2)Ichinose M, et al:Japanese guidelines for adult asthma 2017. Allergol Int 66:163-189, 2017
3)森川昭廣:アレルギー専門医の現状と将来国際比較と代議員アンケートから.アレルギー60:184-192, 2011
4)西間三馨:アレルギー疾患対策基本法とアレルギー診療の均霑化.アレルギー66:190-203, 2017
5)西間三馨:アレルギー疾患対策基本法成立の経緯と課題.医薬ジャーナル 54:255-260, 2018
6)厚生労働省:アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会.http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=439760
7)山口正雄:喘息・成人アレルギー疾患対策の現状と課題.医薬ジャーナル54:275-281, 2018
8)貝沼圭吾:アレルギー疾患医療提供体制構築の必要性と課題.医薬ジャーナル 54:269-273, 2018
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