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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻8号

2018年08月発行

文献概要

特集 アレルギー疾患対策

多職種連携による小児のアレルギーケアの推進

著者: 楠隆12

所属機関: 1滋賀県立小児保健医療センター小児科 2滋賀県立小児保健医療センター診療局

ページ範囲:P.606 - P.610

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はじめに
 アレルギー疾患の小児は,病気を抱えながらも,普段の日常生活を病院ではなく,家庭,学校,幼稚園,保育所など病院の外で過ごす.そこには,診察室の短時間の診療では見えてこないさまざまな悩みや問題点がある.これからの小児医療スタッフ,とりわけ小児アレルギーに関わる者には,病院でアレルギー児が受診するのを待っているだけではなく,病院を飛び出して日常生活の中にいる小児を捉え,問題点を抽出し,そこへ介入していく姿勢が必要である.そのためには,医師の診察のみでは不十分である.看護師,薬剤師,管理栄養士,さらには保健師,学校・園・保育所関係者,行政関係者などを幅広く巻き込んだ多職種連携が必要である.
 幸い,わが国には,小児アレルギー疾患の専門知識と患者指導のスキルを習得する専門資格である小児アレルギーエデュケーター(pediatric allergy educator:PAE)制度があり,本資格を獲得した医療スタッフが全国で活躍している.本稿では,PAEの活動を軸にして,多職種による小児のアレルギーケアの実態と課題を考察する.

参考文献

1)日本小児臨床アレルギー学会:PAE制度に関するQ & A.http://jspca.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20180213194650-B7A5BC42D86C428984B6A23A4755B45E983120C4E2C724FFE5EE98220497CF87.pdf
2)日本小児臨床アレルギー学会:小児アレルギーエデュケーター所属施設及び氏名.http://jspca.kenkyuukai.jp/special/?id=27777
)を処方された小児の保護者に対する意識調査.日小児臨アレルギー会誌15:351-358, 2017
4)笹畑美佐子,他:食物アレルギー児のサインプレートおよび緊急時カードの使用実態調査.日小児臨アレルギー会誌15:359-368, 2017
5)神林弾:小児科 薬剤師の立場から.アレルギー免疫24:1180-1187, 2017
6)四竈美帆,他:臨床にかかわる管理栄養士の現状と今後 こども病院の管理栄養士の役割.日小児難治喘息・アレルギー会誌14:32-34, 2016
7)益子育代:アレルギーエデュケーターへの期待.末廣豊(編):小児アレルギー診療 コメディカルとともに.pp18-21,診断と治療社,2012
8)笹畑美佐子,他:アナフィラキシーは現場で起きている! 誤食事故を無くす現場の取り組み 「アナフィラキシーゼロ作戦!」 滋賀県における食物アレルギーに対する取り組み.日小児臨アレルギー会誌16:49-52, 2018
)の有効活用を目指した緊急時対応冊子の作成と評価.日小児臨アレルギー会誌16:20-29, 2018
10)滋賀県立小児保健医療センター:滋賀県小児アレルギー疾患対策推進事業.http://www.pref.shiga.lg.jp/mccs/shinryo/hokenshido/arerugi.html
11)西間三馨:アレルギー疾患対策基本法とアレルギー診療の均霑化.アレルギー66:190-203, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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