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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 日本におけるWHO協力センター

久里浜医療センターの依存症の治療と予防における国際的な活動と役割

著者: 湯本洋介1 樋口進1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター精神神経科

ページ範囲:P.674 - P.679

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はじめに—久里浜医療センターの歴史
 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター(以下,当センター.図1)はアディクション(依存症,嗜癖)分野において研究,治療,人材育成などの中心的な役割を担っている.はじめに,当センターの歴史を俯瞰するところから,その役割を眺めてみたい.
 当センターは,1963年に日本で初めてアルコール依存症専門病床を設立した(当時は国立療養所久里浜病院.以下,当院).現在でも,国内でおよそ150施設あるアルコール症治療施設の中で最大の規模である.1970年代に,わが国のアルコール依存症の入院治療のモデルとなる「久里浜方式」を確立し,それまでの閉鎖病棟への閉じ込め型の治療から患者主体の治療へと大きく方向展開する契機をつくったことは,わが国のアルコール症治療における画期的な出来事である.以降,1975年から当院において,厚生省(現 厚生労働省)の委託を受けて,医療機関職員向けに国の唯一の公的なアルコール依存症研修が行われるようになった.この研修などを通して,久里浜方式が日本におけるアルコール依存症治療のスタンダードとして広がっていった.

参考文献

1)湯本洋介,他:久里浜におけるアルコール依存症治療の変遷.Fronti Alcohol 4:12-16, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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