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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生82巻9号

2018年09月発行

文献概要

連載 ヘルスコミュニケーションと健康な社会づくりを考える Dr.エビーナの激レア欧州体験より・1【新連載】

欧州のヘルスリテラシーの取り組み—テロの危険も顧みずオランダの王女が出席した国際学会からの学び

著者: 蝦名玲子1

所属機関: 1株式会社グローバルヘルスコミュニケーションズ

ページ範囲:P.712 - P.715

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ヘルスコミュニケーションとは?
 こんにちは.保健学博士でヘルスコミュニケーションスペシャリストの蝦名玲子(Dr.エビーナ)です.もともとは国公立の研究所の研究員だった私ですが,「官・民・学といった組織形態に関係なく,自由に,効果的に,元気な社会づくりに貢献したい」という思いから,2002年にヘルスコミュニケーションと健康社会学の研究と教育のための会社を立ち上げました.現在は,全国の企業や官公庁のコンサルティングをしたり,大学で教鞭をとったり,保健医療従事者の教育を行ったりするというかたちの,ちょっとユニークな働き方をしています.
 私が専門としているヘルスコミュニケーションは,「人々に,健康上の関心事についての情報を提供し,重要な健康問題を公的な議題に取り上げ続けるための主要戦略のこと」と定義付けられています1).ヒトの認知プロセスや行動パターンを,科学的に根拠があることが証明されている心理学や行動科学,社会科学といった分野における「理論」を基にして理解し,そのうえで,アプローチ方法を検討,創造して,対象となる個人や集団とコミュニケーションをとり,その効果を評価する,という一連の流れを研究します.ヘルスコミュニケーションを駆使することで,健康のメッセージが強化され,健康の話題が取り上げられたり,さらなる情報が求められたり,健康的な生活習慣がもたらされたりしやすくなることが確認されています2)

参考文献

1)World Health Organization:Health Promotion Glossary. 1998
2)蝦名玲子:ヘルスコミュニケーション 人々を健康にする戦略.ライフ出版,2013
3)Richards M, et al:Paths to literacy and numeracy problems:evidence from two British birth cohorts. J Epidemiol Community Health 63:239-244, 2009
4)蝦名玲子:ヘルスリテラシー研究の概況.日健教会誌 19:158-162, 2011
5)Sørensen K, et al:Health literacy in Europe:comparative results of the European health literacy survey(HLS-EU). Eur J Public Health 25:1053-1058, 2015
6)European Commission:Study on sound evidence for a better understanding of health literacy in the European Union(HEALIT4EU), Executive Summary. National Institute for Public Health and the Environment, Ministry of Health, Welfare and Sport, 2015
7)IROHLA consortium:Policy Brief for Health Organisations. Health Literacy for Healthy Ageing. http://healthliteracycentre.eu/wp-content/uploads/2015/11/IROHLA-policy-brief-health-organisations-November-2015-1.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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