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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻1号

2019年01月発行

文献概要

特集 人獣共通感染症—獣医衛生領域から見た対策

鳥インフルエンザの発生状況と,その対策

著者: 伊藤壽啓1

所属機関: 1鳥取大学農学部共同獣医学科応用獣医学/獣医公衆衛生学

ページ範囲:P.9 - P.13

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はじめに
 H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(以下,本ウイルス)は,1996年に中国広東省のガチョウ農場で出現して以来,世界中に広がり,これまでに70カ国を超える国々で流行を引き起こしてきた.中国,インドネシア,ベトナム,エジプトなど16カ国ではヒトへの感染も報告されており,現在までに860人が感染して,そのうち5割を超える454人が死亡している(2018年7月20日現在)1)
 本稿では,まず,高病原性鳥インフルエンザの国内外における最新の発生状況と,わが国の獣医衛生領域における防疫対策の概要を紹介する.また,本ウイルスが近年,多様化・複雑化の様相を呈してきている現状と,ヒトへの感染リスクあるいは,このウイルスが今後,パンデミックウイルスに変異する可能性について,獣医学的な立場から言及する.

参考文献

1)WHO:Cumulative number of confirmed human cases for avian influenza A(H5N1)reported to WHO, 2003-2018. http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/2018_07_20_tableH5N1.pdf? ua=1
2)鳥取大学:今季の高病原性鳥インフルエンザウイルス国内初分離.https://www.tottori-u.ac.jp/item/15641.htm
3)農林水産省:平成29年度における高病原性鳥インフルエンザの発生に係る疫学報告書.http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/attach/pdf/index-145.pdf
4)WHO:Human infections with avian influenza A(H5N6)virus-China. http://www.who.int/csr/don/07-december-2016-ah5n6-china/en/
5)FAO:H7N9 situation update. http://www.fao.org/ag/againfo/programmes/en/empres/H7N9/situation_update.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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