文献詳細
特集 人獣共通感染症—獣医衛生領域から見た対策
文献概要
はじめに
H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(以下,本ウイルス)は,1996年に中国広東省のガチョウ農場で出現して以来,世界中に広がり,これまでに70カ国を超える国々で流行を引き起こしてきた.中国,インドネシア,ベトナム,エジプトなど16カ国ではヒトへの感染も報告されており,現在までに860人が感染して,そのうち5割を超える454人が死亡している(2018年7月20日現在)1).
本稿では,まず,高病原性鳥インフルエンザの国内外における最新の発生状況と,わが国の獣医衛生領域における防疫対策の概要を紹介する.また,本ウイルスが近年,多様化・複雑化の様相を呈してきている現状と,ヒトへの感染リスクあるいは,このウイルスが今後,パンデミックウイルスに変異する可能性について,獣医学的な立場から言及する.
H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(以下,本ウイルス)は,1996年に中国広東省のガチョウ農場で出現して以来,世界中に広がり,これまでに70カ国を超える国々で流行を引き起こしてきた.中国,インドネシア,ベトナム,エジプトなど16カ国ではヒトへの感染も報告されており,現在までに860人が感染して,そのうち5割を超える454人が死亡している(2018年7月20日現在)1).
本稿では,まず,高病原性鳥インフルエンザの国内外における最新の発生状況と,わが国の獣医衛生領域における防疫対策の概要を紹介する.また,本ウイルスが近年,多様化・複雑化の様相を呈してきている現状と,ヒトへの感染リスクあるいは,このウイルスが今後,パンデミックウイルスに変異する可能性について,獣医学的な立場から言及する.
参考文献
1)WHO:Cumulative number of confirmed human cases for avian influenza A(H5N1)reported to WHO, 2003-2018. http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/2018_07_20_tableH5N1.pdf? ua=1
2)鳥取大学:今季の高病原性鳥インフルエンザウイルス国内初分離.https://www.tottori-u.ac.jp/item/15641.htm
3)農林水産省:平成29年度における高病原性鳥インフルエンザの発生に係る疫学報告書.http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/attach/pdf/index-145.pdf
4)WHO:Human infections with avian influenza A(H5N6)virus-China. http://www.who.int/csr/don/07-december-2016-ah5n6-china/en/
5)FAO:H7N9 situation update. http://www.fao.org/ag/againfo/programmes/en/empres/H7N9/situation_update.html
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