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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻1号

2019年01月発行

文献概要

特集 人獣共通感染症—獣医衛生領域から見た対策

わが国における牛海綿状脳症(BSE)対策とリスク評価

著者: 大快峻輝1

所属機関: 1内閣府食品安全委員会事務局評価第二課プリオン・自然毒等係

ページ範囲:P.14 - P.20

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はじめに
 2001年9月のわが国における牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy:BSE)の発生は当時,深刻な社会問題となるとともに,食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)の制定によるリスクアナリシス注1の概念の導入といった,わが国の食品安全行政の体制を見直す契機となった.以来,17年以上が経過した現在では,各国のBSE対策が功を奏し,わが国のみならず世界中でBSEの発生は著しく減少している.
 食品安全委員会は,食品安全基本法の下,規制や指導などの「リスク管理」を行う関係行政機関(厚生労働省や農林水産省など)から独立して内閣府に設置された機関であり,科学的知見に基づき,客観的かつ中立公正な立場から,食品に含まれる可能性のある危害要因が人の健康に与える影響について「リスク評価」を行っている1)
 本稿では,BSEの発生状況や対策などに触れつつ,わが国におけるBSEの食品を介した人へのリスクに関する議論の経緯について解説する.

参考文献

1)内閣府食品安全委員会:食品安全委員会とは.http://www.fsc.go.jp/iinkai/
2)内閣府食品安全委員会:評価書詳細 牛海綿状脳症(BSE)対策の見直し.http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20121219037
3)農林省:飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和五十一年農林省令第三十五号).http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=351M50010000035&openerCode=1
4)農林水産省:牛海綿状脳症に関する特定家畜伝染病防疫指針(平成16年11月29日公表).最終改正は平成27年4月1日である.
5)農林水産省:食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第11回プリオン病小委員会 配布資料.http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/eisei/purion/11/index.html
(excluding the United Kingdom). http://www.oie.int/?id=505
7)OIE:World Animal Health Information Database(WAHIS Interface)-Version 1. http://www.oie.int/wahis_2/public/wahid.php/Diseaseinformation/Immsummary
8)EFSA:The European Union summary report on surveillance for the presence of transmissible spongiform encephalopathies(TSE). 2016. https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5069
9)厚生労働省:牛海綿状脳症(BSE)等に関するQ & A.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/bse/topics/tp010308-1.html
10)厚生労働省:と畜場法施行規則(厚生省令第四十四号).http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=328M50000100044&openerCode=1
11)厚生労働省:厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則(昭和十四厚生労働省令第八十九号).
12)厚生労働省:食品,添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号).
13)厚生労働省:国内対策について.https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/bse/02.html
14)内閣府食品安全委員会:評価書詳細 牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直し(健康と畜牛のBSE検査の廃止)について.http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20151218480
15)OIE:Terrestrial Animal Health Code(2018). http://www.oie.int/international-standard-setting/terrestrial-code/access-online/
16)European Commission:Commission Decision 2009/719. https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1538111599280&uri=CELEX:02009D0719-20160528
17)European Commission:Commission Regulation (EU) 2015/728. https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1538112032961&uri=CELEX:32015R0728
18)The University of Edinburgh:The National CJD Research & Surveillance Unit(NCJDRSU):Data and Reports. http://www.cjd.ed.ac.uk/surveillance/data-and-reports
19)厚生労働省:国内における変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の発生について.https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/02/h0204-3.html
20)食品安全委員会:会議資料詳細 第112回プリオン専門調査会.http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20180906pr1

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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