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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻10号

2019年10月発行

文献概要

特集 摂食障害の理解と対応

摂食障害の理解の促進と啓発の現状と課題—日本摂食障害協会(JAED)の取り組みから

著者: 小原千郷12

所属機関: 1一般社団法人日本摂食障害協会 2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部

ページ範囲:P.762 - P.766

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はじめに
 摂食障害は先進国を中心として多発しており,社会的な問題となっている.発症年齢は青年期をピークとして子どもから中年期に及ぶ.また,女性に多いが男性にも発症するなど,いわば誰もがなり得る病態「common disease」である.発症すれば,精神面・心理面・行動面でさまざまな症状が現れ,悪循環しながら生活全般に影響を及ぼし,対人関係や学業や就労などの社会適応にも支障を生じる.摂食障害に対する専門的で総合的な治療が求められるとともに,発症を予防し,また疾患を抱えた患者を社会の中でサポートするための啓発活動が必要である.
 上記の課題を解決するため,2015年に日本摂食障害協会(Japan Association for Eating Disorders:JAED)が発足し,2016年に一般社団法人化した1).本稿ではJAEDの活動を紹介し,一連の活動の中で得られた摂食障害の理解の促進と啓発の課題について考察する.

参考文献

1)一般社団法人日本摂食障害協会(JAED)ホームページ.https://www.jafed.jp
2)Yeager K K, et al:The female athlete triad:disordered eating, amenorrhea, osteoporosis. Med Sci Sports Exerc 25:775-777, 1993
3)小原千郷,他:一般女性における摂食障害の認識調査—病名認知度と誤解・偏見.心身医学(印刷中)
4)日本摂食障害協会:平成29年度 三菱財団社会福祉事業・研究助成金 就労実態調査と社会復帰支援 報告書.https://www.jafed.jp/pdf/reports/working-survey.pdf
5)生野照子,他:チームで取り組む摂食障害治療・支援ガイドブック.日本摂食障害協会,2018 https://www.jafed.jp/guidebook/
6)菅原彩子:拒食と過食の疑問に答えるQ & A 本人と家族,関係者から寄せられた摂食障害に関する相談と回答集.日本摂食障害協会,2019 https://www.jafed.jp/qa/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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