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疫学は世界の共通語!—疫学から得たエビデンスを用いた政策への寄与
著者: 神谷元1
所属機関: 1国立感染症研究所感染症疫学センター
ページ範囲:P.784 - P.785
文献購入ページに移動サンディエゴ市は人口300万人を超えるカリフォルニア州南端の観光都市で,世界中から人々が訪れ,また,国境を接するメキシコからの移民も多い.そのため,各国の異なった予防接種制度の下でワクチン接種を受けた人々が混在する.そのような場所で麻疹や水痘といった病気が,高い予防接種率の達成と維持でコントロールされていた.カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の小児科教授であるMark Sawyer先生を中心にして,保健所においてしっかりとしたサーベイランスが構築・実施されており,さらに,その結果を正しく評価し,必要な場合は介入を行い,その介入を再度サーベイランスで評価する,といったエビデンスに基づいた政策の実施と評価が行われていた.それまで疫学(epidemiology)を全く知らなかった私にとって,当たり前のように行われている目の前の光景が新鮮で,このプロセスをもっと正しく理解したい,身に付けたいと思った.その後,アトランタエモリー大学公衆衛生大学院(Emory University Rollins School of Public Health)で公衆衛生修士(MPH)を取得し,さらに米国疾病予防管理センター(CDC)でEpidemiology Intelligence Service(EIS)のトレーニングを受けた.
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