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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻11号

2019年11月発行

文献概要

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著者: 阿彦忠之

所属機関:

ページ範囲:P.856 - P.856

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 2011年に歯科口腔保健法が議員立法によって公布・施行されると,これと前後して地方自治体でも関連する条例の制定が相次ぎました.地方の衛生行政の現場に歯科専門職が少ないことによる歯科口腔保健施策の停滞を憂慮した歯科医師会などが地方議会に働きかけて条例案の作成を支援したことにより,議員提案による条例制定が進んだとされています.新しい法律・条令の施行によって歯科医師会などによる地方自治体への情報提供や要望活動が一層活発になり,法律に基づく施策推進の中核的組織として「口腔保健支援センター」を設置する自治体が増えました.従前は衛生行政部局内に歯科専門職が全くいなかった県でも,同センターの設置に伴って歯科医師や歯科衛生士などが恒常的に配置されるようになり,既存事業の評価や新規事業の企画などで専門性を発揮するようになったので,法制化の効果は大きいと感じていました.
 しかしながら,住民に身近で頻度の高い保健サービスの実施主体である市町村では,いまだに歯科専門職の配置が進んでおらず,歯科保健の重要性を行政内部で共有し施策化するための基盤が未熟であることを再認識しました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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