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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻2号

2019年02月発行

文献概要

特集 インバウンドと在留外国人—その増加と諸課題

在留外国人の医療を取り巻く課題と今後の展望

著者: 沢田貴志12

所属機関: 1神奈川県勤労医療生活協同組合港町診療所 2特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会

ページ範囲:P.96 - P.101

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はじめに
 2018年に日本を訪れた訪日外国人は3,000万人を超えた.訪日外国人の近年の急激な増加の背景には,円安局面の継続やオリンピックを前にした観光客誘致の政策などさまざまな要因があり,今後も動向を注視する必要がある.一方で,日本に在住する外国人の数も2008年のリーマン・ショックから東日本大震災にかけての数年を除いて,一貫して増加が続いている1).経済活動や人の移動は活発化しており,今や日本国内で外国生まれの住民がいない自治体はほとんどなくなっている.地域の健康を守るためには,増え続ける外国生まれの住民の存在を前提としておくことが不可欠である.
 本稿では,外国生まれの人口の増加が顕著となった1990年ごろから現在に至る経緯と,今後の課題について述べる.

参考文献

1)法務省:在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表.http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_touroku.html
2)厚生労働省:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在).http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192073.html
3)法務省入国管理局:本邦における不法残留者数について(平成30年1月1日現在).http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00074.html
4)沢田貴志:外国人労働者の健康問題.公衆衛生74:697-700, 2010
5)外国人のHIV予防対策とその介入効果に関する研究班:外国人医療相談ハンドブック—HIV陽性者療養支援のために—改訂版(平成25年3月).pp102-104, 2013 http://api-net.jfap.or.jp/library/guideLine/images/h25_nakao.pdf
6)内閣府:質問主意書 第147回国会(常会) 答弁書第二六号 内閣参質一四七第二六号 平成十二年五月二十六日.http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/147/touh/t147026.htm
7)厚生省保健医療局結核エイズ感染症対策課:在日外国人結核登録調査報告.資料と展望10:15-24,1994
8)国会議事録 法務委員会答弁(第1類第3号法務委員会議録第2号平成元年11月10日).1990
9)沢田貴志:外国人HIV感染者の治療環境と支援.Prog Med 23:2313-2316, 2003
10)沢田貴志,他:エイズ診療拠点病院全国調査からみた外国人の受療動向と診療体制に関する検討.日エイズ会誌18:230-239, 2016
11)沢田貴志:結核から見た日本 結核問題,結核対策から日本の社会,保健医療のあり方を考える外国人の結核への新たな取り組みとしての通訳派遣制度.結核87:370-372, 2012
12)総務省自治行政局国際室長:総行国第79号 地域における多文化共生推進プランについて.http://www.soumu.go.jp/main_content/000400764.pdf
13)齋藤百合子:人身売買被害者とは誰か—日本政府の「人身取引」対策における被害者認知に関する課題.アジア太平洋レビュー3:67-76, 2006 https://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/pdf/review_2006-06.pdf
14)国際連合広報センター:2030アジェンダ.http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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